今回は息の流し方を身につけ、息の多い声、通る声を作る「スー」「ズー」トレーニングについてです。
このトレーニングは通る声を身に付けたい、声量をアップさせたい、透明感のある声を身に付けたいという方にオススメです。
特に歌の細かい部分で必ず力になるトレーニングなので、歌唱力アップにもつながるでしょう。
「スー」「ズー」トレーニングとは
このページで紹介するトレーニングは
- 「スー」トレーニング
- 「ズー」トレーニング
- 「スッ」トレーニング
の3つです。
これらのトレーニングは
- 息と声の連動を高める
- 肺活量を鍛える
- 横隔膜を鍛える
という効果が考えられます。
結果的に
- 声量アップ
- 通る声
- 息が流れる綺麗な声
などに効果があるトレーニングです。
では3つのトレーニングをそれぞれ紹介します。
①「スー」トレーニング
このトレーニングはその名の通り「スー」の発音で発声練習します。「ウ」の母音(声帯の鳴り)はつけてください。
やり方
- 口を「ス」の発音の形を作ります
- そのまま、ますは息だけを流す「スーーーーー」
- 次にその息の流れに乗せて声を出す「スーーーー」
- これを音階などに合わせてトレーニングする
これだけです。
注意点として、
- しっかりと息を流すこと
- 上の歯に向けて息と声を流すこと
- 息の圧力が上の歯でせき止められているような感覚を持つ
このトレーニングはピアノで音階練習しても良いですし、「ス」の発音だけで歌ってみる練習もいいと思います。
息の強弱をつける練習もオススメです。
だんだんと強くしたりだんだんと弱くしたり、波のように強弱をつけたりすることで息での表現力を磨くこともできます。
練習音源
練習音源に困っている方は『「スー」「ズー」トレーニング用音源ページ』を活用してみてください。
②「ズー」トレーニングとは
その名の通り「ズー」で発声練習するトレーニングです。
練習方法は「スー」トレーニングと同じです。
「スー」トレーニングと同じようなものですが、若干違いがあります。
違い
こちらのトレーニングの方がより横隔膜への負荷が若干大きいです。
「ス」と比べて舌でさらに口の中の空間を狭めるため(息の出口が少なくなるため)、より一層息を出すのが大変です。
つまり、口で息がせき止められる力が強くなるのです。
よって息を吐く力がより一層必要になるので、負荷が大きくなるということです。
また、「ズー」の方が声帯をしっかりと鳴らせるのも特徴です。
息を出すのが大変な分、負荷がかかるので息をしっかりと吐けるトレーニングになるのですね。
重いバッドで素振りして普通のバッドを持つと軽く感じるのと同じようなものです。
③「スッ」トレーニング
少し派生系のトレーニングです。
このトレーニングは声を出さずに息のみに焦点を当てているトレーニングです。
つまり、『声との連動』という部分を抜いて息のみに集中したトレーニングということです。
やり方
- 口を「ス」の形を作ります
- そのまま息を「スッ」と吐きます
- しっかりと吐きます
- この「スッ」と吐くのに合わせて横隔膜(お腹)を動かすのをしっかりと意識します
- 強い勢いで息がはけると思います
- 「スッ!スッ!スッ!スッ!スッ!」という感じです
トレーニングイメージ(「スッ!シッ!」もいいですね)↓
こんな感じで「スッ!スッ!スッ!スッ!スッ!」と繰り返してもいいのですが、ピアノ(もしくはスケール音源)を使ってトレーニングするといいかもしれません。
声を出さないのにピアノ?ってなると思いますが、これが結構効果ありだと思います。
「息だけなので音階なんて必要ない」と思うでしょうが、音階があるとその音階を意識した息の量が自然と出やすいのです。
高音に行くにつれて息が自然と多くなってくるはずです。
つまり息だけで音階をつけているような感覚です。
これは素早いフレーズの方がいいでしょうから、練習音源は『ドッグブレス系のトレーニング音源』などが良さそうです。
音階があるとそれを想定した息の出し方を自然と体がしてしまうということです。
もちろんピアノなしでも問題なしです。
注意点
- 「ス」と声を出してはいけません(ウの母音をつけない)。あくまで出すのは息だけです。
- しっかりと口と歯で息がせき止められている感覚をもつ
- その負荷が横隔膜への負荷になります
- 横隔膜をしっかりと動かしている感覚があり、息をしっかりと押し出すトレーニングだと感じることができれば成功です。
歌における息と声が連動する重要性
「スー」「ズー」トレーニングの一番いいところは
『息と声の連動を鍛えること』
でしょう。
「歌は息や呼吸が8割」とか言われるくらいに息の流れは重要。
もちろん普段話すだけでも息は流れています。
息が流れないと声になりませんから、そういう点では息と声は誰もが常に連動していると言えます。
しかし、
歌においては普段話しているレベルの息のコントロール能力では到底足りません。
歌に必要な息の流れやブレスコントロールは別物なのです。
なので、歌に必要なレベルの息の量とそれに対応できる声帯の動きを体に染み込ませなければいけません。
これが歌に必要な『息と声の連動』です。
そして、このトレーニングはこれを鍛えるのにうってつけというわけですね。
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息に声を乗せる【”息の重要性”と声帯との連動性について】
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結論
- 「スー」トレーニング→『息と声の連動トレーニング』
- 「ズー」トレーニング→『「スー」トレーニングの高負荷』
- 「スッ」トレーニング→『息に特化したトレーニング』
という感じです。
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