今回は美空ひばりさんの歌声・歌い方についての分析です。
話し声の特徴
話し声の音域はやや低めくらいの音域。
もちろん年代によって変化はあるのですが、相対的にみて「やや低め」くらいの声帯という印象です。
話し声の声質は「鳴りやすい」タイプの声質。
声帯が「ジリジリ・ビリビリ」としっかり鳴りやすいタイプの芯を持った声質を持っていると言えるでしょう。
もちろん息も綺麗に流れるのですが、声帯のタイプは鳴りやすいタイプ寄りという感じでしょう。
持っている声帯
やや低めの音域・鳴りやすい声質
歌声の特徴【発声方法】
チェストボイス(地声)低中音域は地声(チェストボイス)。
声帯がしっかりと鳴っており、それを鳴らすために綺麗に息を流すというような鳴りを主体とするような発声です。
美空ひばりさんは地声域で押しを作り高音域で引きを作るような歌唱スタイルが多いです。
なので地声域はしっかりと太く鳴らしています。
かなり低音域まで出せるのも特徴で、深い発声から明るい発声まで音色を自在に操ります。
地声
子供の頃から上手いですね。当時13歳。
ミドル(地声)
地声の中高音発声。
基本的に地声域以上は綺麗にファルセットへ移行させるスタイルなので、ミドル域をガツンと鳴らすような発声はあまりしないですね。
地声域を伸びやかに引き伸ばし、それ以降はするりとファルセットへ。という感じです。
中高音も伸びやかです。
ファルセット(裏声)
高音域は裏声(ファルセット)。
非常に綺麗な音色のファルセットを圧倒的クオリティーで聴かせてくれるのも美空ひばりさんの特徴ですね。
くっきりとした鳴りで自在にコントロールしています。
切り替えも綺麗で、倍音も美しく心地よい音色のファルセットです。
ファルセット
非常に美しい↓
歌い方
共鳴や音色
上方向から下方向まで共鳴を自在に美しくコントロールしています。
ビブラート
深いビブラートが特徴的です。
フレージング・歌い回し
表現力は圧倒的で、音の大小のコントロールがものすごくうまいです。
言葉一つ一つ、フレーズ一つ一つに緩急があり、物語すら感じるほどの表現力です。
またピッチ感は尋常ではないほど優れています。美空ひばりさんの歌の上手さの根底にある圧倒的部分です。
シンプルな点ですが、このピッチ感がものすごくいいという点が歌の上手さの大きなカギを握っていると考えられます。
ただこれもそのピッチ感を実現させる柔軟な声帯コントロールがあって成せることですね。
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