今回は山口百恵さんの歌声・歌い方についての分析です。
話し声の特徴
話し声の音域はやや低め〜普通くらいの音域。
音域的にやや低め〜普通くらいの声帯を持っているという印象です。
話し声の声質は「息っぽい」寄りのバランスのいい声質。
声帯が鳴らないタイプというわけではないですし、バランスよく軽やかに声帯は鳴るのですが、息が流れやすく「息っぽさ」「透明感」を感じやすい声質を持っていると考えられます。
持っている声帯
やや低め〜普通の音域・息っぽくもバランスのいい声質
歌声の特徴【発声方法】
チェストボイス(地声)低中音域は地声(チェストボイス)。
非常に息が綺麗に流れている発声をメインに使っています。声帯をしっかり鳴らす発声ももちろんあるのですが、息がしっかりと綺麗に流れる発声が主体で透明感のある歌声を作り出しています。
低中音域は息っぽくそっと語るようなニュアンスで歌うことが多いですね。
クールでかっこいい歌い方も特徴的ですね。
ミドルレンジ(地声)
地声の中高音発声。
中高音域は歌声全体にパワーが入り、グッと鳴りが強まった発声ですね。楽曲にもよるのですが、深めの響き(咽頭腔共鳴)をしっかりと保ち太くかっこいい響きの音色を作ることが多いです。
0:20〜↓
0:33〜↓
ファルセット(裏声)
高音域は裏声(ファルセット)。
現代とは違い、時代的にも高音域での裏声はあまり使われることはなかったでしょうが、使っているフレーズもありますね。
非常に綺麗な澄んだ音色のファルセットです。
裏声
0:59〜↓
歌い方
共鳴や音色
歌声の共鳴において特徴的なのは『下方向への響き(咽頭腔共鳴)』ですね。
声を下にしっかりと当てることで深く太くクールな音色を作っています。
もちろん上方向への響き(鼻腔・口腔)もフレーズによってはしっかりとあります。主に低中音域を明るく歌うときは声をしっかりと上に当てて、中高音域で下への響きを増やしていき深く太い音色を作るという感じです。
また、口の開きや口の中の空間も縦方向主体、そこまで大きく開けずにクールな音色を作っています。ただ、初期の楽曲は明るく音色の歌い方も多いです。
ビブラート
基本的にビブラートはしっかりと自然にかけるタイプという感じです。
フレージング・歌い回し
- 曲線的な歌謡曲スタイル
- 静と動のダイナミックレンジ
というのが特徴でしょう。
音全体を滑らかに流れるようなフレージングで歌う歌謡曲調の歌い方がメインだと言えるでしょう。
全体的な印象はクールなイメージですが、低音域から高音域、静と動、明と暗の幅広い表現力が特徴的です。