発声方法

シャウトのやり方・練習方法について

投稿日:2018年7月7日 更新日:

今回は歌における「シャウト」について書いていきたいと思います。

主にファンク・ロック・ハードロック・メタルなどの音楽ジャンルで多く使われる歌唱方法である、『シャウト』。

使いこなせれば歌に大きなスパイスになる発声かもしれません。

シャウトについての概要

シャウト(shout)とは

  • 「叫ぶ」「大声で歌う」

という意味です。

歌においても特に特別な意味があるわけではなく、文字通り「叫んでいるように歌う」というのが基本的な意味になります。

シャウトは仮声帯を考える必要性がある

まず「普通の声」と「叫び声」は何が違うのか、『人は何を持って”叫び声”と認識しているのか』という部分を整理しておきます。

 

そうすると、基本的にこれは仮声帯(かせいたい)が働くか、働かないか』の差と言えるでしょう。

この仮声帯は「怒鳴り声」「唸り声」などを出すときに鳴っている『ゴロゴロ』『ガリガリ』した音を鳴らす部分です。思いっきり咳払いをすると誰でも鳴らしやすいと思います。

 

この仮声帯は強い息の力を声帯にかけたときに声帯を支えるように働くので「大声・叫び声・怒鳴り声」などでガリガリした音が混じっているのですね。

 

つまり、この「仮声帯」という部分が鳴った声を人間は”シャウト”だと感じます。

この仮声帯そのものに働きについての詳細は『がなり声・仮声帯発声について』の記事にまとめているのでここでは省略します。

シャウトの種類

この「仮声帯」には働く度合いがあります。

つまり、シャウトはこの度合いである程度種類分けされており、仮声帯の度合いが強まるほどに『デスボイス』と呼ばれるものへと近づいていきます。

 

パターンとしては

  • 地声+仮声帯『弱』=地声のシャウト
  • 地声+仮声帯『強』=グロウル(中低音)・ガテラル(超低音)
  • 裏声+仮声帯『弱』=裏声のシャウト
  • 裏声+仮声帯『強』=スクリーム

こんな感じで考えるといいでしょう。

ただし、『グロウル』『ガテラル』『スクリーム』に関しては仮声帯をメインに発声しているので地声・裏声という声区の区分がかなり曖昧になります

 

なので、地声や裏声をあまり考えずに仮声帯発声の『超低音(ガテラル)』『低中音(グロウル)』『高音(スクリーム)』という風に考えてもいいと思います。

 

地声シャウト↓

仮声帯をしっかりと働かせているのでガラガラ・ゴロゴロとした音色になっています。

「がなり声」とも言えるでしょうが「叫び声」でもあります。

 

裏声シャウト↓

先ほどよりも仮声帯の度合いが弱く、ほんのりと使われていますね。

シャウトらしいシャウトという感じです。

 

低音の仮声帯発声(グロウルが低中音、ガテラルが超低音と呼ばれますがおそらくこれはガテラルになるかと)↓

 

高音の仮声帯発声「スクリーム」↓

シャウト系の発声の仕方

練習する前に、大前提理解しておかなければいけないのが、

  • シャウトは喉の健康上、誰にでもオススメできる発声ではない

ということです。

こればかりは人によって違います。やり方次第では特に問題なく使いこなせることも普通にありますし、そうならない可能性もあります。

 

なので、喉の健康を考慮して練習することをおすすめします。

 

ここでは大きく3つ

  1. 地声のシャウト
  2. 裏声のシャウト
  3. デスボイス

に分けて考えたいと思います。

①地声のシャウト

地声でのシャウトです。

 

地声系シャウトのやり方

まず喉の力を抜いた地声の状態を作るためにエッジボイスをします。力を入れず「あ”あ”あ”あ”・・・」という状態を維持します。

そのままの喉の形を意識した状態で息を勢いよく思いっきり吐きます。そうするとガラガラ・ゴロゴロと声が割れるでしょう。これが叫び声・シャウトですね。

 

まぁここまで具体的にやり方を考えなくても、本能のまま何も気にせず思いっきり叫べば大抵は地声系のシャウトになると思います。

 

あとはいかに上手く使いこなすか、ですがこれは喉の使い方の慣れでしょうから何度も練習するしかないですね(*喉を壊さないように)。

②裏声のシャウト

裏声のシャウトは裏声の状態で叫びます。地声のシャウトに比べると、高い音域のシャウトになります。

 

裏声系のシャウト

出し方というほどのものはなく、『裏声の状態で思いっきり息を吐く』というだけです。

甲高い叫び声のようなものになるでしょう。

 

実はシャウトって裏声になりやすいという特性もあります。

例えば、ジェットコースターでの「キャーー!!」、ライブ会場での「フォオオ!!」のように大きな声を出すと高い声になりますよね。

体が緊張状態にあると裏声になりやすいという理由もありますが、強い息を思いっきり吐いた声を出すと声帯がその息を支えようとして高い声を出す状態を作るので裏声になったりするのですね。

 

シャウト界隈では裏声系のシャウトの高音は『ホイッスルボイス』と呼ばれたりするのかもしれません。

関連
ホイッスルボイスについての研究【構音型と気流型の2種類ある】

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③デスボイス

先ほども書いたようにデスボイスは基本的に

  • 『仮声帯』を主体にした発声

です。

 

で、その仮声帯を主体とした発声の

  1. 超低音
  2. 低中音
  3. 高音

があるのですね。

これが「ガテラル」「グロウル」「スクリーム」などと呼ばれます。

まぁこの辺はかなり緻密に分類されていますが、流派によって違うのでここでは基本の「グロウル」と「スクリーム」の発声にだけ少し触れておきます。

 

グロウルのやり方

  • まずは咳する真似をします。「ゴホッ!ゴホッ!」
  • 次にその咳をしながら同時に声を出します。「ゴロロロ!ゴロロロ!」。おそらく今鳴った部分が仮声帯です。
  • その仮声帯を「ゴロゴロ」鳴らす感覚を掴んだら、その部分・成分をたくさん使って発声してみてください。
  • そして最終的にその部分だけを使って声を作ります。

おそらくこれでできるはず。

 

スクリームはそれを高音にすればいいのですね。

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