今回はglobeのボーカル KEIKOさんの歌声について書いていきたいと思います。
globeと言えば、90年代を席巻した音楽グループですね。
新しい日本の音楽性を切り開いたようなグループであり、その音楽は現代にも大きな影響を与えていますね。
小室哲哉さんの音楽性はもちろんですが、ボーカルKEIKOさんの歌声も素晴らしいですよね。
心掴まれている方も多いのではないでしょうか。
どういう声質・声の出し方か
地声・話し声はやや低めの音域で、ややほんの若干のハスキー感のある鳴り系の声質
地声の音域はやや低めの音域ですね。
普通〜やや低めくらいの音域帯の声帯を持っているように感じます。
声質は鳴り系の声質で声帯閉鎖が強いしっかりと鳴るタイプの声質です。鳴り方が若干特殊で言葉では表現しにくいのですが、ほんの若干のハスキー感(カサカサではない)というか、シャリっとした倍音があるような声です。
特に鼻腔方向へ響くような話し声を使うときに特殊な声帯の鳴りの倍音が鳴っている様に感じます。
基本的には鳴り系の声質です。
歌声は息系の声と鳴り系の声の幅が広い歌声
チェストボイス低中音域は地声。
息の多い発声から声帯を強く鳴らす様な鳴り系の発声まで幅広い声質を使っています。楽曲によって様々ですが、綺麗に聴かせるバラード系のフレーズの基本的な発声は息が多い息主体の声質を使っています。
もともと持っている地声は声帯が鳴りやすい声質を持っているので、そこを考えるとかなり息主体の発声で澄んだ音色を作っています。息の倍音が澄んだ音色を作り出しているのですね。
テンポのいい楽曲などでは声帯をしっかりと鳴らす鳴り系の発声で強めの地声を使うことが多いです。
基本的には地声系の発声メインですね。
地声
ミドルレンジ
中高音域(≒ミックスボイス)。
特に高音域帯で使うことが多いです。
声質は声帯の閉鎖を強めてしっかりと鳴らす鳴りの強いミドルです。
声帯をしっかりと閉鎖させて鳴りの倍音が多い声質です。
音色的には「ツン」という様な感じの倍音です。このしっかりと鳴るミックスボイスを鼻腔方向へしっかりと響かせて尖りすぎないくらいの綺麗なニュアンスで響かせています。
上方向へ綺麗に抜くことで強く綺麗な鳴りを作り出しているのですね。
このように地声域の息主体の発声から高音域帯の鳴りの強い発声までの振り幅の大きさがKEIKOさんの歌声の特徴です。
澄んだ音色から強い音色までの声質の差が豊かですね。
ミドル
高音部分。
ファルセット
高音域はファルセット(裏声)。
高音域帯を綺麗に抜く様なフレーズで使っており、息が綺麗に流れる澄んだ音色のファルセットです。
ファルセット
どういう歌い方か
共鳴や音色
KEIKOさんは基本的には上方向主体(軟口蓋や鼻腔)の明るい綺麗な音色を生み出す響かせ方をしています。
深い響き(下方向への響き)はあまり作らないですね。
声の作り方も縦方向よりも横方向へのニュアンスが強いので浅めで明るい音色の声色です。
この上方向への響きを主にして、息系の声や鳴り系の声を使いこなすのがKEIKOさんの特徴ですね。
ビブラート
ビブラートはそこまで深めにかけるタイプではないですが、自然に浅めにかけています。
フレージング・歌い回し・歌唱力
大きな癖はなく、ベーシックになんでも歌いこなすタイプですね。
鳴り系の声から息系の声までダイナミクスに富んだ表現力を持っているシンガーです。
どういう練習をすればKEIKOさんのように歌えるか
KEIKOさんのように歌うには多くの音楽的要素が必要です。
そのぶん、多くの練習や訓練が必要となります。
しかし、要点やポイントを絞ることで近づく近道になります。
KEIKOさんのように歌うポイント
ポイント
息が綺麗に流れる発声を身につける
鳴りの強いミックスボイスを身につける
これが重要ですね。
では練習方法を書いていきたいと思います。
息が綺麗に流れる発声を身につける
KEIKOさんは鳴り系の地声を持っていますが、澄んだ音色の息主体の発声をしています。
息が流れやすい地声を持っている方の場合はそこまで大変でないかもしれませんが、声帯が閉鎖しやすい(鳴りやすい)地声を持っている方はかなりの息のトレーニングが必要ですね。
息のトレーニングはドッグブレス・「スー」「ズー」トレーニングなどで息と声との連動を鍛えていくのがいいでしょう。
息がしっかり流れる発声のまま声帯はあまり鳴らさないような意識をすることで息主体の綺麗な澄んだ音色の発声になるはずです。
息主体の発声は鳴り系の地声を持っている場合かなり息を使うので、体をそれに順応させるように日々トレーニングしていきましょう。
鳴り系のミックスボイスを身につける
KEIKOさんは声帯をしっかりと閉鎖させた鳴りの強いミックスボイスを使いこなします。
声帯を強く鳴らすような高音域の場合、どうしても余計な力が入ってしまいます。
顎や喉や舌根が固くなったり締まったりするのですね。
これをほぐしながらトレーニングするには「ネイ」「ヤイ」トレーニングが最適です。
このトレーニングで鳴りの強い声を維持したまま、高音域の脱力を少しづつ身につけて行きましょう。
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