今回は、声が裏返る原因についての内容です。
声が裏返るとは
声が裏返るとは
思わず高い声が出てること。出すつもりがないのに裏声になること。調子はずれな声になること。地声で出せる高い音の限界を超えると声は裏返る。緊張や興奮状態のときはのどの筋肉が固くなるため、地声で出せる高い音の限界も低くなってよく起こる。
とあります。
つまり、『勝手に裏声になってしまうこと』ですね。
この「裏返る」というのがどういう状態なのかをすごく簡単に表現すると、
- 『肉』で鳴らす発声から、『皮』のみで鳴らす発声に切り替わっている
ということです↓
声帯筋という『肉』が活動して鳴らしているときは地声になり、『肉』が働かなくなって『皮』だけになった瞬間に「裏返る」という現象が起こります。
この『声が裏返る仕組みについて』は長くなるのでここでは省略しますが、簡単にこの『肉』と『皮』でイメージしておくと「声が裏返る」という現象を理解しやすくなると思います。
声が裏返る原因
声が裏返る原因は
- 変声期・声変わりの時期
- 地声の限界音域を超えるとき(高い声を出す)
- 喉が柔らかい
- 緊張や興奮によるもの
- 風邪や発声障害など
が考えられます。
①変声期・声変わりの時期
声変わりが原因で、声が裏返りやすくなるということです。
個人差がありますが、声変わりの時期は声が不安定になりやすく変に声が裏返ってしまうなどの問題も生まれます。人によっては、話しているだけでいつも声が裏返るなんてこともあるかもしれません。
これは、声帯が大きく変化している最中なので仕方のないことです。
もし変声期の真っ只中で声が勝手に裏返ることに悩んでいるのなら、声変わりが終わるまで我慢するしかないのかもしれません。無理に裏返らないように頑張ると、それもそれで変声期の声帯にはよくないでしょうから。
②地声の限界音域を超えるとき(高い声を出す)
多くの人が感覚的にわかっているであろう当たり前のことですが、地声の限界音域を越えれば裏声になります。
これは、人間に備わった健全な反応とも言えると思います。
*もちろん、裏返らない人が健全でないとは言ってません。実は、綺麗に裏返らない人や裏声が出ない人も多く存在します。これはまた別の話なのでここでは置いておきます。
「でも、すごい高音の地声を出している人もいるよ」と思う人もいるでしょう。
これは、もちろん訓練によって鍛えられる部分もあります。しかし、無限に鍛えられるわけではなくどんな人にも限界はあるので、その限界を超えれば誰もが声は裏返るのですね。
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③喉が柔らかい
これは良い意味なのですが、喉が柔軟すぎて裏返りやすくなるということです。
地声と裏声の行き来が簡単にできるような喉(声帯)が柔軟な人は、リラックスした状態や力が抜けているときに意図せず裏返ったりします。
よく歌のフレーズの中で一瞬だけ裏返ったような音が入るシンガーもいますよね。
ただこういう人の裏返りは基本いい感じに裏返るので、この状態の人はそこまで悩むことはないのかもしれません。”体が柔らかすぎる人の悩み”みたいなものですね。
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④緊張や興奮によるもの
冒頭の引用文にもあるように、緊張や興奮によって声が裏返ると言った心理的な要因です。
緊張状態
大勢の前で話す時、レコーディング時など緊張している時に裏返るというものです。
「緊張すると体がガチガチになる」のと同じように喉もガチガチになるので、これによって声帯筋が上手く動かなくなり裏返りやすくなります。
興奮状態
ジェットコースターで「キャーー!!」。すごく欲しかったものをプレゼントされた時の「わーー!!」。ライブ会場での「フゥーー!!!」などは、裏声になることが多いですね。
対策としては、ボイストレーニングよりも心理的な部分での改善になるでしょう。
⑤風邪や発声障害で裏返る
これは、風邪などによる喉のダメージや何らかの発声障害によって裏返ってしまうということです。
風邪などによる喉のダメージは、どちらかと言えば粘膜(皮)へのダメージによって裏声が出なくなることが多いでしょうが、逆に裏返りやすくなる人もいるかもしれません。この場合は、安静にしておけば治るはずです。
また、何らかの発声障害などを抱えていることが原因で、声が裏返ってしまうこともあるでしょう。
発声障害は個人個人症状が違うでしょうから何とも言えないのですが、こういう場合はすぐお医者様の元へ行きましょう。