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声の悩み・歌の悩み

歌声が鼻声になる原因と改善方法について

投稿日:2021年4月30日 更新日:

今回は、歌声が鼻声になってしまうという問題の原因と鼻声の治し方についての内容です。

鼻声になる原因

鼻声になってしまう主な原因は、

  1. 風邪・花粉症などによる鼻づまり
  2. 軟口蓋が開き過ぎている
  3. 咽頭腔が狭い

という3つが考えられます。

 

①風邪・花粉症などによる鼻づまり

これが原因の場合は、風邪や花粉症など鼻が詰まっている原因を治せば改善するはずなので、「治しましょう」としか言えないのですが、『なぜ、鼻がつまると鼻声になるのか?』。

 

これは鼻の空気の出口(=音の出口)が狭くなり、音が抜けにくくなることで音が鼻にこもるからです。

鼻腔に音がこもる

つまり、”音が鼻の空間(鼻腔)に集まってしまうこと”で鼻声は生まれるのですね。

 

鼻の通り道がふさがれる、もしくは狭まると鼻声になりやすいということです。

 

②軟口蓋が開きすぎている

軟口蓋とはこの部分です↓

軟口蓋の位置

この部分が鼻腔への声の通り道を開いたり塞いだりしています。

 

つまり、この軟口蓋が鼻への声の通り(息の通り)をコントロールしているということです。

軟口蓋が開くと鼻腔に声が通る

 

わかりやすい(*再生位置1:54〜)↓

なので、鼻声の人はこの軟口蓋が開き気味で鼻に声が通り過ぎる状態と言えるのかもしれません。

 

この軟口蓋は発声時、ピコピコと柔軟に動いています↓

誰もがそんな感覚はないでしょうが、こんな風にピコピコと鼻への声の通りをコントロールしているのですね。

 

つまり、この軟口蓋が開き気味過ぎると鼻声になるので、軟口蓋をしっかりと閉じた発声をトレーニングする必要があるでしょう(*トレーニングは後半で)。

 

鼻に通るのに鼻声?

先ほどの『鼻づまり』の項目を考えると、「あれ、鼻が通るのなら鼻声にならないんじゃない?」と思うかもしれません。

 

これは先ほど”音が鼻の空間(鼻腔)に集まってしまうことで鼻声が生まれる”と表現しているのですが、

  1. 鼻が詰まって(鼻の出口が塞がって)鼻腔に音が集まる
  2. 軟口蓋が開きすぎて鼻腔に音が集まる

のは原因が違うだけで、結果同じことが起きています。

 

鼻の穴は、基本的にほぼ一定の大きさで大きく広げたりできませんから、軟口蓋が開きすぎて鼻に声が通り過ぎることでも鼻声は生まれるのですね。

鼻腔に声が通り過ぎても鼻腔に音はこもる

 

開鼻声?

この軟口蓋部分が開きすぎて、上手く自分でコントロールできないことを『開鼻声』と言われたりします。

 

ただし、開鼻声とは基本的に普段の会話に支障が出るなどのレベル、病院で治療が必要なレベルの症状を指す言葉でもあります。

おそらく、ここでは歌においての悩みでしょうからそこまで深刻じゃないはずですが、もし開鼻声であるなら病院へ。

 

③咽頭腔が狭い

鼻声の原因として最も多いと考えられるのが、この「咽頭腔が狭い」ということ。

 

咽頭腔とはこの部分です↓

咽頭腔共鳴の位置

この共鳴は、喉仏(声帯がある場所)の位置の上下によって変動します。

先ほどの一つ目の動画の1:35〜がわかりやすいかと。

 

つまり、「咽頭腔が狭い」ということは言い換えると、喉仏が上がり気味であるということです。

咽頭腔と喉仏の位置の関係性

これによって声の発信源が鼻腔に近づきます。

 

すると、鼻腔に声が通りやすくなります。

声帯から鼻腔までの距離が遠くなると鼻腔共鳴が弱まる

声帯から鼻腔までの距離が遠くなると鼻腔共鳴が強まる

このように、咽頭腔の共鳴が狭い人ほど鼻腔に響く声(鼻声)になりやすい。ということは、『咽頭腔を広げれば(喉仏を下げれば)、鼻声にはならない』とも言えるでしょう。

 

先ほどの「軟口蓋」と「咽頭腔」この二つが鼻腔への声の通りを担っており、これが多くの人が言う「鼻腔共鳴」の仕組みとも言えるでしょう。

発声における3種類の共鳴について

続きを見る

 

鼻声の改善方法

上記までの項目を考えると、

  1. 鼻に声が通り過ぎなければいい【軟口蓋の動き】
  2. 咽頭腔が狭くなりすぎなければいい【喉仏の動き】

この二つに焦点を合わせて、改善していけばいいということになります。

 

①鼻つまみトレーニング

大体の場合、このトレーニングを継続するだけで鼻声は改善できると思われます。

 

鼻つまみトレーニングとは

『鼻をつまんだ状態で”鼻声にならないように”声を出したり、歌ったりするトレーニング』

です。

 

鼻つまみ練習のやり方

  1. 鼻をつまみます(鼻の穴を指で塞ぐでもいい)
  2. 鼻から息が全く漏れない状態を作ります
  3. この状態で普通に声を出すとひどい鼻声(変な声)になるはず
  4. この鼻をつまんだ状態のまま『なるべく鼻声にならない声』を探り、その発声状態の感覚を掴む。

というトレーニングです。

 

鼻をつまんだ状態は鼻声がすごくわかりやすくなります。すごく変な声(鼻声)になるはず。

これを利用します。

 

つまり、

  • 鼻をつまむと変な声になる=鼻に声が行き過ぎている

ということの証明なので、

  • 鼻をつまんでも変な声にならない=鼻に声が行き過ぎていない

ということになります。

 

難しいことは考えなくても、鼻をつまんで『鼻声にならないようにしようとする』と、「軟口蓋」「咽頭腔」の最適な条件を勝手に満たそうとするはず。

 

そうじゃなかった人は試しに、

  • 鼻をつまんでものすごい鼻声で声を出す「あ〜〜」
  • その状態のまま喉仏を思いっきり下げて「あーー」

おそらく喉仏を思いっきり下げると、鼻声にならなくなったはずです。

 

やりすぎも良くないですが、このように自分の中で最適なバランスを見つけながら鼻をつまんでも鼻声にならない感覚を身につければいいのですね。

 

トレーニングイメージ(*再生位置3:18〜)↓

 

こうやってその都度確かめることで、鼻声にならない発声を身につけることができると考えられます。

 

逆に

「鼻声になりたい」「歌声を鼻声にしたい」という人は『鼻をつまんで思いっきり鼻声になる』という発声状態を体に染み込ませればいいとも言えるでしょう。

 

②咽頭腔を広げるトレーニング

おそらく、先ほどの鼻つまみトレーニングを継続することで大抵の場合は解決できると思われます。

ところが、「上手く喉仏を下げることができない」「咽頭腔をコントロールするのが苦手」という人もいるでしょう。

 

この場合は、咽頭腔をコントロールするトレーニングをする必要があります。オススメは「ボイボイ」トレーニング。

 

「ボイボイボイボイ」と連続的に発音することで咽頭腔を広げる能力を高めます。詳しいトレーニング方法はこちらにまとめています。

咽頭共鳴のコツは?深い響きのある声を身につけるトレーニング

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