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声の悩み・歌の悩み

『自分の歌声が気持ち悪い』という問題について

更新日:

今回は、よくある「自分の歌声が気持ち悪い」という悩みについての研究考察です。

 

自分の歌声が気持ち悪い原因は、

  1. 耳(脳)が自分の本当の声に慣れていない
  2. 心理的な問題
  3. 発声が悪い

という3つが考えられます。

それぞれ掘り下げていきます。

①耳(脳)が自分の本当の声に慣れていない

これは、自分の声を聞き慣れていないから、気持ち悪く感じてしまうということです。

つまり、『慣れ』の問題であり、実際に気持ち悪い声になっているというわけではありません。

 

人間は体の構造上、自分だけは『自分の本当の声』を聞くことができません

 

これは、骨伝導による自分の内側からの音(骨導音)が聞こえているからですね(*ちなみに、耳の外側から聞こえる音は「気導音」と言われます)。

骨導音と気導音

つまり、『自分がいつも聞いている自分の声』と『自分の本当の声』の認識がズレているので、それによって違和感を覚えて気持ち悪さを感じるということになります。

 

自分の声の録音を聞くと、ほとんどの人はこれが起こります。

普段鏡に映った自分の顔ばかり見ているので、写真に写った自分の顔に違和感を感じるようなものですね。

 

また、カラオケに行くと自分の声に気持ち悪さを感じるという場合もあるでしょう。

これはスピーカーから『自分の本当の声』が自分に向かって飛んでくるので、普段マイクなしで歌っている聞こえ方と違って聞こえて、違和感を感じるのですね。

カラオケの時だけ気持ち悪く感じるという場合も、「自分で聞いている自分の声」と「本当の自分の声」に誤差を感じているということになります。

 

これは、一種の『慣れ』の問題であり、ズレを脳がしっかりと認識しているかどうかの問題とも言えるでしょう。

つまり、慣れてしまえば気持ち悪さはなくなります。

 

自分の本当の声に慣れるには、「録音」を聞く続ける

自分の声を聞いた時の気持ち悪さを消すには、『たくさん自分の声を録音して聞く』のが一番いいでしょう。動画で自撮りするのも、自分の姿を客観視しながら声を聴けるのでより良いかもしれません。

 

自分の声を何度も聞いていると、脳がそのズレをだんだんと認識してきて、気持ち悪さが無くなっていきます。

 

最初は「自分の声が聞きたくない」「つらい」と思うことも多いでしょうが、これに関しては我慢です。我慢すれば、いつの間にか「まぁ自分の声だな」という感じになり、ほとんどなんとも思わなくなるでしょう。

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②心理的な問題

これは、『自分の声を必要以上に気にしすぎて、気持ち悪く感じている』ということです。

こちらも実際の自分の声には問題がないという点では、先ほどの項目と同じなのですが、厳密には少し違います。

 

こちらは『慣れ』の問題ではなく、『細かいことまで気にしすぎる』というのが問題です。

どんなことでも細かいことまで気にしすぎると、ダメに思えてきますから。

 

つまり心理的な問題で、原因は、

  • 性格の特性(HSPなど)
  • 精神衛生の問題

などが考えられます。

 

心理的な問題は解決が難しい

自分の声が気になる状態の場合、「他人はそこまで細かいことは気にしてないよ」という事を素直に受け入れられればいいのですが、なかなかそうもいきません。

 

性格的なものや精神衛生はそう簡単に変わるなら苦労はしませんから。

 

そもそも、人間は自分の声が嫌いという人が一定数いますし、長い人生の中では誰もが一度はそういう事を思うのかもしれません。

 

歌手や声優でも「昔は自分の声が嫌いだった」と語る人は多いです。他人から見れば、「そんなにいい声なのに何を言ってるんだ」と思うのですが、本人にとってはそう思ってしまうのですね。

 

自分がそう思ってしまう以上はどうしようもないのですが、できるだけ自分だけで自分の声を評価せずに、他人に評価してもらい、その他人の評価を自分の評価とする事を心がけましょう。

 

③発声が悪い

これは、発声自体が悪い。つまり、文字通りの「気持ち悪い声」になってしまっているということですね。

 

気持ち悪い声が具体的にどんな発声かというのは、人それぞれの違いがあるでしょうから一概には言えませんが、何らかの問題のある発声ということですね。

 

主に、

  1. 変な発声・根本的に間違っている発声
  2. 能力が不足している
  3. 何らかの発声障害を抱えている

という3つのパターンに分けて考えられます。

 

⑴変な発声・根本的に間違っている発声

変な発声を身につけてしまったり、何か根本的に間違った発声をしてしまって気持ち悪い声になっているという状態です。

 

例えば、よくあるのが「高い声を練習しすぎて、変な発声になってしまった」というパターンなどです。特に、ゆっくりと段階を踏まず一気に練習してしまうとなりやすいです。

 

このパターンになると、その発生を良くしようとトレーニングを頑張っても改善されないことが多いです。根本的に間違った発声を身につけてしまっているので、その発声をどうにかする道は閉ざされているのですね。

 

つまり、このパターンの場合は、その発声自体を捨て去って一から作り直すということが解決策になるでしょう。

決断するのは苦しいですが、振り出しに戻らない限り解決しない問題というものはあります。

 

⑵能力が不足している

発声に関する能力が不足しているから、気持ち悪い声になってしまうという状態です。

 

例えば、現状の能力では出せない高音を出そうとする、現状の能力では出せない声量を出そうとする、などは気持ち悪い声になってしまう可能性があります。

 

声帯は能力以上のことをしようとすると、喉周りの力を借り始めるため、

  • 喉が締まる
  • 顎が固まる
  • 舌が力む

などなどが起こり、結果的に共鳴腔(喉の空間)が狭くなります。

 

喉の空間が狭くなるということは、声の共鳴空間が狭くなってしまい「悪い音色」になってしまいます。

 

つまり、

  • 何らかの能力不足→喉周辺の力を借りることで共鳴空間が狭くなる→気持ち悪い声になる

ということですね。

 

この場合、能力不足を改善することが解決策になるのですが、何の能力が必要なのか?という点に関しては、個人個人で見つけなければいけません。

 

問題の原因をしっかりと把握することができれば、それを解決するためのトレーニングをすればいいということになります。当サイト内にも、色々なトレーニング方法を載せているので、参考にしてみてください。

 

ただ、ピンポイントで問題を把握し、それに対するトレーニングをしていくのは難しいことです。それが上手くできれば、スポーツ選手なども苦労はしないですよね。

つまり、ある程度手探りで試行錯誤していく必要があるというのが現実的です。

 

⑶何らかの発声障害を抱えている

何らかの発声障害を抱えていることで、発声が悪くなってしまう、気持ち悪い声になってしまう、ということもあるでしょう。

 

発声障害は、トレーニングなどでは改善できない場合もあるので、クリニックなどに行くことが必要になるかもしれません。

 

発声が悪い場合、まずはできる範囲から良い発声を作る

発声悪くて「気持ち悪い声」になってしまっている場合は、

  • 悪い発声を直そうとするよりも、まずはできる範囲で良い発声を作り、それを少しづつ広げていくように練習する

のがいいでしょう。

 

例えば、普段の話し声くらいの最も楽に出せる音程くらいに焦点を当てて、まずはこの部分だけでも良い発声ができる状態を作る。

 

その状態になったら、そこからその発声の範囲を少しづつ広げていき、良い発声の割合を増やしていく。という考え方で発声を作っていくといいでしょう。

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まとめ

自分の歌声が気持ち悪いという場合は、

  1. 耳(脳)が自分の本当の声に慣れていない
  2. 心理的な問題
  3. 発声が悪い

という3つのパターンがあると考えられます。

 

それぞれ、

  1. 自分の声を録音してたくさん聴く
  2. 自分の声の評価は他人に委ねる
  3. 良い発声を見つけ、その範囲を広げていく

で解決しましょう。

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