今回は声帯の鳴りを鍛える濁音のトレーニングについて書いていきたいと思います。
濁音のトレーニングのトレーニングとはその名の通り濁音で発声練習をすることです。
濁音トレーニングの効果
- 声帯の鳴りがしっかりとある声を身につける
- 声門閉鎖がしっかりとある発声を鍛える
このような効果が考えられます。
『濁音』について
改めて言われずともわかるでしょうが、念のために確認です。
濁音とは
点々(濁点)がつく文字の発音のことですね。
具体的には
- 「ガ・ザ・ダ・バ」行の発音、もしくはそれに小さい文字をつけた「ギャ」などのような発音のこと
ですね。
基本的には特別な意識もなく誰もが使っていることでしょう。
ここでの濁音もそれ以上でもそれ以下でもないのですが、少し発声面において深掘りします。
濁音とそうでない音の発声における違いは?
濁音と普通の音(清音と言われる)の発声における違いは?と聞かれると実は結構難しいですよね。
例えば、「カ」と「ガ」の違いはなんでしょうか?
発声の観点から考えると
その発音を発する瞬間を刹那的に切り取った場合、子音の後に母音が来るのが『普通の音(清音)』、子音と母音が同時に鳴るのが『濁音』です。(*ただし、濁音を有する子音の話。「ナ行・マ行・ヤ行・ラ行」は例外)
つまり「カ」と「ガ」で表現すると
これが清音です。
そして
このように子音と母音をドンピシャで同時に発音するのが濁音です(例外あり)。
厳密には母音の方が若干早いかもしれませんね。
「ア」と「カ」を同時に鳴らしてみてください。必ず「ガ」になりますから。
同じように子音と母音を同時に鳴らそうとすれば「タ」が「ダ」になりますし、「サ」は「ザ」になります。
ただし、「ハ」と「バ」の関係性は少し違います。「ハ行」を母音と同時に鳴らそうとするとただの母音になってしまいますね。これは例外です。
このように濁音系の発音は声帯の鳴り(母音)を子音と同時に鳴らすのです。
逆に言えば同時に慣らさないと濁音にはならないはずです(ちなみに濁音のない子音、例えば「ナ行」「マ行」「ヤ行」「ラ行」などは同時に声帯の鳴りと子音を同時に鳴らすことができます)。
同時に動かすと(濁音だと)どう違うのか?
瞬間の違いですが、結構誰でもわかりやすく違いを実感できます。
それが『声帯の鳴りの大きさ』です。
例えば
「サイサイサイ」と発音するのと「ザイザイザイ」と発音するのはどちらが声帯が鳴っていますか?「ザイザイザイ」の方ですよね。
考え方として子音というのは舌・歯・唇のどこかで息の圧力を支えています(もしくはどこにも支えない場合は「ハ行」)。
もちろんこれは『小さな圧力の支え』ですが、
- 瞬間的にはこの小さな圧力の支えを息で押し出した後に母音を発しているのが清音
です。
ところが濁音は同時に慣らさなければいけないので息ではなく、声帯の鳴りでこの圧力の支えを押さなければいけないのです。
なので
- それを押す力の分だけ声帯の鳴りが強まる
と考えられます。
まぁ難しいことは考えずとも「静音と濁音なら濁音の方が声帯が強く鳴る」とだけわかっていればいいですね。
些細な違いですが、トレーニングでは結構大きな違として現れるはずです。
声帯の鳴りはもちろんその子音を発するための動き(舌の動きなど)の面でも些細な違いがありますね。
濁音トレーニングの効果
以上のようなことから、普通の静音での発声トレーニングよりも声帯の鳴りがしっかりとある発音のトレーニングになるということが考えられます。
効果
- 声帯の鳴りがしっかりとある声を身につける
- 声門閉鎖がしっかりとある発声を鍛える
声帯の鳴りがしっかりとあるということはつまり声門閉鎖の能力を鍛えているということです。
例えば、このサイトで紹介している強い鳴りを身につける「グッグトレーニング」や「ネイ」「ヤイ」トレーニング(ナ行、ヤ行は濁音と同じ)も声帯の鳴りと同時に発音できるトレーニングです。
声帯の鳴りと同時に発音できるというのが濁音のトレーニングの効果であり、その濁音と同時に子音系の発声によるトレーニング効果(例えば舌の動きなど)もあるのが濁音系のトレーニングです。
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