歌声解説 男性シンガー

西城秀樹の歌声や歌い方の分析

投稿日:2018年5月18日 更新日:

西城秀樹さんと言えば、圧倒的な歌唱力で多くの人を魅了した偉大なシンガー。

なんといっても歌唱力。あの迫力から「絶唱型」と呼ばれていたそうですね。

「絶唱型」というと息も絶え絶えに全力で歌っているような言葉のイメージですが、言葉のイメージとは裏腹にものすごく声をコントロールしています。

今回はそんな西城秀樹さんの歌声について。

どういう声質・声の出し方か

地声・話し声は普通くらいの音域で、ザラッとした鳴り系の声質

地声の音域は普通くらいの音域です。

音域的には普通くらいの音域の声帯を持っていたように思われます。

 

声質はザラッとした特徴的な鳴り系の声質です。鳴り系の声質なのですが、どこか息の空気感もあるような心地よい声質。

ハスキーボイスではなのですが、ザラッとした少し特殊な鳴り方の声質という感じでしょうか。

 

歌声は太い響きの発声が特徴的

チェストボイス

低中音域は地声

バランス良く息が流れる発声を使うことが多いですね。

もちろんフレーズによるのですが、息の倍音がしっかりと乗った息が綺麗に流れる発声です。軽やかでさらりとしたセクシーな発声を中心とした低中音域。

 

深い響き(下方向への響き)が特徴的な西城秀樹さんですが、この低音域帯は鼻腔方向(上方向)へ響かせることが多く爽やかな印象です。

この低音域からの振り幅が西城秀樹さんの特徴の一つでしょう。

地声

 

ミドルレンジ

中高音域(≒ミックスボイス

低音域からグッと息の圧力を高めて、力強い鳴りを生み出すミドルレンジ。

さらに若干特有のハスキーな倍音がザラッと乗っているので、非常に個性的で深い響きのミドルを生み出しています。太い綺麗な鳴りの発声からシャウト気味な少し声帯を割るような発声まで使いこなしています。

 

特徴的なのはやはり深い響き(咽頭共鳴)ですね。高音域でありながら非常に深く下方向へ響くので、太い鳴りのパワフルな声を生み出しています(*さらにここにビブラートが加わるのも大きな特徴。後述します)。

 

このような強く太い発声で歌うことが多いことから「絶唱型」という風に言われていたのでしょうね。

特に当時はそういう風に歌う人があまり多くなかったと言われています。

 

今ではこういう発声も主流の一つ(*とは言え最近は少ない)ですが、西城秀樹さんほど太く深い共鳴の高音域をコントロールして芸術的に鳴らしている人はそうはいないような気がします。

ミドル

 

どういう歌い方か

共鳴や音色

高音域になるにつれて膨らむような咽頭共鳴(下方向への響き)が特徴です。

強い高音域で深みのあるパワフルな音色と低中音域の優しい音色作りが特徴です。

 

さらに空気を鼻に抜くような独特なニュアンスがあるのも西城秀樹さんの大きな特徴です。

深い下方向への音色が特徴的ではあるのですが、随所に鼻抜けのニュアンスがあり音色の上下の広がりを一層感じる音色の作り方です。

鼻に抜けるようなニュアンス

中盤「ふたりの心は」終盤「ときを戻せたら〜」などわかりやすいです。

 

ビブラート

何と言っても特徴的なのが、ビブラート(音はしっかりと揺らし、揺らすスピードは速め)です。

このビブラートを低音域だろうが高音域だろうが綺麗にかけています。

 

特に高音域帯のビブラートは、西城秀樹さんの歌声の代名詞みたいなものでしょう。

このビブラートがより一層高音域の深みやパワフルさを膨らませているように感じます。

 

また、ビブラートをかけながらピッチベンドする(*音を連続的に動かす)という凄まじい技を使いこなします。これに関してはビブラートの応用の記事にて詳しく書いています。

 

フレージング・歌い回し

  • 曲線的・歌謡曲的フレージング
  • 躍動感とダイナミクス

というのが特徴的でしょう。

基本的な歌い回しは日本的で流れるような歌い回しをするタイプと言えるでしょう。ビブラートを含めメロディー全体が流れるような印象です。

 

また、躍動感のあるリズムと表現という部分も特徴でしょう。

これは

  • 歌声の膨らむようなダイナミクスの付け方
  • その歌声のダイナミクスに合わせたリズム感

みたいなものが生み出しているように感じます。

ピッチ感も素晴らしく圧倒的な歌唱力です。

 

日本が誇る伝説のシンガーの内の一人でしょう。

 

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