歌唱力アップ

ボイトレ初心者の練習の優先順位について

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今回はボイトレ初心者・歌の初心者がまず何をすればいいのか、何を練習したらいいのかについての研究です。

歌の練習の優先順位

「何をすべきか」というところに入る前に『歌の練習の優先順位』の考え方だけ頭に入れておくべきでしょう。

というのも、『歌が上手くなる=ボイトレ』とだけ考えてしまうとコケる可能性が高そうだからです(*必ずではない)。

つまり、『”ボイトレらしいボイトレ”の優先順位はそこまで高くない』ということだけまずは頭に入れておくべきだろうと考えられます。

  • 「ボイトレ」>「歌う」ではない

ということ。

 

理由は簡単で、「実践に勝る練習はない」ですし、プロのシンガーには「ボイトレらしいボイトレなんてしたことない」と語る人が多いからです。

別にこれはカッコつけてるわけではなく、芯を食った答えと考えるべきでしょう。

プロのシンガーが『ボイトレしない理由』について

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あくまで、歌が上手くなるために効果的な行動は

  • 「歌う」>「ボイトレ」

であるということを”基本的な土台”としてトレーニングに取り組むべきでしょう。

これは後半に触れますが、もっと厳密には

  • 録音する」>「歌う」>「ボイトレ」

とした方がわかりやすくていいのかもしれません↓

「ボイトレらしいボイトレなんかしたことない」という歌が上手い人でも「自分の声を録音したことない」という人はほぼいないでしょう。

「歌声は歌って作るのが一番」↓

お二人とも「歌声は歌って作るのが一番いい」という見解ですね。

こちらも後半でその重要性に触れますが、稲葉さんのおっしゃっている「道具を使った息のトレーニング」はコレです↓

『POWERbreathe』でボイストレーニング|息の力で声量アップ

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とにかく、まず「歌う」>「ボイトレ」ということだけ意識しておくのが大切だと考えられます。

初心者から歌を始める時に取り組むべきこと

初心者から歌を始める時は

  • 歌の練習のやり方の工夫が2つ
  • 頭に入れておくべき理解(知識)が1つ
  • 歌の筋トレ(ボイトレ)を1つ

という計4つのポイントを押さえて練習すればいいのではないかと考えられます。

 

その4点は

  1. ”今の自分”に歌える音域の曲を極める
  2. 自分の歌声を録音すること
  3. 自分の声帯のタイプを理解すること
  4. 息を鍛えるトレーニング

です。

①”今の自分”に歌える歌を極める【=無理な音域の曲を歌わない】

これはつまり「高い声が出せないと歌えない」など、

  • ”現状の自分”では音程がきつい曲の練習はしない
  • ”今の能力”で音域に不安なく歌える曲をたくさん歌う

ということです。

 

歌の上手さには色々な要素があり、「ピッチの正確性」「リズム感」「音色の質」「表現」「テクニック」などなど無数の要素がありますが、中でも初心者が注目しやすいのが『高音』でしょう。

特に「地声の高音」など。

 

当然、「そんな高音を出したい」と考えて高音に意識の焦点を当ててしまうのですが、

  • 高音は最初に取りに行くとコケる可能性がかなり高い

と考えられます(*もちろん可能性の話で、必ずではない)。

 

なぜかというと『頭の中が高音でいっぱいになるから』『それ以外のことに意識が向きにくくなるから』

逆に高音以外を最初に取りに行くと、色々な要素としっかりと向き合うことができます。

このように音域に無理がある曲は「高音を出せるかどうか」の一点に気を取られすぎてしまうと考えられます。

 

「先に取っても後に取っても最終的に同じ量やるなら変わらないんじゃ?」と思うかもしれませんが、意外とそうならないのが面白いところ。

何事にも「基礎」と「応用」、「順序」があるということでしょう。

  • 今の自分の音域でも歌える歌を練習し、「高音」以外の要素を先に取りに行く

ということが初心者のうちは特に大事と考えられます。

 

「ものすごい声が低くて歌える歌がないんだが?」という方もいるかもしれませんが、探せば必ずありますし、「キーを変える」「男性なら女性曲のオクターブ下を歌う」「女性なら男性の曲を歌う」など色々手はあるはず。

②自分の歌声を録音する

先ほどの動画でもありましたが、『自分の歌声を録音すること』はとにかく重要です(*スマホで十分)。

レコーディングするので当たり前と言えば当たり前ですが、プロのシンガーは必ずやってますね。

 

音楽の中でも楽器の練習などにおいて録音はそこまで重要な練習方法にはならないのですが、歌においてはこれをやるかやらないかで成長速度が天と地ほど変わってしまうだろうというほど重要なトレーニング方法だと考えられます。

 

理由は『自分の声だけは”内耳”による音が聴こえるので、客観的に音を把握するのが難しいから』です。

なので、ピアノでもギターでもベースでも重要ではないが、歌だけは重要なのですね(詳しくはここでは省略します)。

歌が上手い人は内耳共鳴と外耳共鳴の誤差が少ない!?

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とにかく録音は大事

ただ、録音すると、

  • 「自分の声が最悪すぎて苦しくなる」
  • 「気持ち悪すぎて絶望する」

などなど色々な問題が生まれやすく、やりたくなくなる人もいるかもしれませんが、これはもうドMになるしかないでしょう。

  • 「録音に何度もショックを受けた人=自分の現実の歌声と向き合った人」ほど上手くなる

とも言えるのかもしれませんね。

③自分の声帯の音域タイプを理解しておく【=どこまでが鍛えられる余地なのかざっくり理解する】

自分の声帯のタイプによって魅力的に歌える範囲はある程度決まっています。

ほとんどのプロのシンガーはこれに従って歌っていると考えられます。

 

大抵の人は「地声」と「裏声」を合わせて2〜3オクターブくらいの音域を出せるポテンシャルを持っています

一般的に「女性が2〜2.5オクターブ」「男性が2.5〜3オクターブ」くらいの音域になります(*あくまで目安)。

 

もちろん、現状の能力がこんな感じだとしても↓

鍛えれば先ほどのような感じなるでしょう。

 

ここで大事なのが、この2〜3オクターブの幅は持っている声帯のタイプによって範囲にズレが生まれるということ↓

つまり、鍛えてもどうにもならない範囲もあらかじめある程度決まっていると考えられます(*ただし、例外はある)。

この範囲を理解しておくことで計画的に練習できる上に、道を踏み外す可能性もかなり少なくなるはず

 

ただし、あくまで目安であり個人差は必ず存在するものなのでその点も考慮に入れる必要があります。

 

声帯のタイプの判別の目安などはこちらに詳しく書いています↓

『声帯のタイプ』と『魅力的な音域』の関係性について

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【おまけ】声変わりを”無事に”終わらせる

変声期が終わった方は拍子抜けする内容かもしれませんが、実はかなり重要だと考えられます。

変声期は性別差や個人差が大きいものですが、だいたい中学生〜高校生くらいの時期に起こるもの。

そして、「歌の初心者」というのもこの時期が多いと考えられます。

 

変声期の時期は

  • 声帯が大きく変化している時期
  • 声そのものが出しづらい
  • 地声も裏声も安定しない

などなど色々な問題があります(*個人差があります。特に女性は変化が少ないこともあるでしょうが、変化は起こっている)。

そもそも『自分の声帯のタイプが確定していない状態』です。

 

この時期は『とにかく無理をしない』『ハードに声を消費しない』ことが大切でしょう。

変な癖、悪い発声、正常に動かない声帯、などなどこの変化の時期に変に使うことで起こりやすいのではないかと考えられます。

 

”鉄は熱いうちに打て”とはよく言いますが、

  • 変声期の声帯は打つな

もしくは

  • 変声期の声帯は優しく慎重に打て

かと。

 

個人的な推察では、変声期において部活動などの無理な大きな声出しですら後々”歌にとっては”マイナスになるのではないかとも考えています(諸外国に比べて圧倒的な「声出し文化」である日本ですが、あくまで”歌において”はマイナス面が強そうな気がします)。

つまり、変声期の時期はあまり声を消費しない人や変声期が早い期間でスムーズに終わった人がのちのち歌が上手くなる可能性が高いという説(*あくまで個人的推察です)。

 

日本のシンガーでは三浦大知さんが変声期のため5年ほど活動を休止したなどの例がありますし、世界的に有名なジャスティン・ビーバーも声変わりの時期はかなり慎重かつ丁寧に乗り越えていたと思われます。

2010年4月、ビーバーは「誰もが声変わりするものだよ。変声期は自然なもので、今は僕の声に必要なことをやっているし、世界で一番のヴォーカルコーチがついているんだ。(中略)「Baby」で出していた高音のいくつかはもう出せない。生歌のときにはキーを下げなくちゃいけないんだ。」と語った

引用元:wikipedia『ジャスティン・ビーバー』より

それくらい重要な時期だということが言えると思います。

声変わり(変声期)のボイストレーニングでの注意点や失敗

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④「息の能力」と「息と声との連動」を鍛える

歌において最も重要なものは何か?」という問いに対するシンガーたちの回答率が一番高いだろうと考えられるのが『』です↓

  • 「Important singing technique(重要な歌唱テクニックは?)」
  • 「All great singers have, first of all, breathing」「全ての偉大なシンガーたちはまず第一に息・呼吸を持っている(=息・呼吸の能力に長けている)」。

このように多くのシンガーが「息が大事」ということを述べますね。それくらい息というのは重要度が高いと考えられます。

息は原点にして頂点』と言えるのかもしれません。

 

なので、初心者はとにかくまずコレを鍛えることから始めるのが最適だと考えられますし、「ボイトレらしいボイトレ」の中でもトップクラスの重要度だろうと考えられます。

  • 息を吸う・吐く力を鍛える

のは「ドッグブレス」や「スーズートレーニング」がおすすめですし、先ほどの「パワーブリーズ」を活用すればかなり効果的に鍛えられます。

また、息の力を鍛えるのと同時に

  • 息と声(声帯)との連動性を鍛える

のが重要です。

この連動の部分を頭に入れておかないと、息のトレーニングは真に効果を発揮しないと考えられます↓

息に声を乗せる【”息の重要性”とその連動について】

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さらに、息系のトレーニングが初心者にオススメのもう一つの理由は『ほぼハズレがない』ことです。

息系のトレーニングは十中八九プラスに働きます。

中級者、上級者はわかることではあると思うのですが、ボイトレには「アタリ」と「ハズレ」があり、しかもそれは人によって変動するので、初心者のうちはアタリを引くことよりも『ハズレを引かないこと』が大事と考えられます(*これについては後ほど詳しく述べます)。

 

しかし、短い期間で効果が出るものでもないのである程度長期的な視点が必要という点が厄介なところです。

継続が大事

早くても半年以上、通常1〜3年くらいの継続で『あ、やっぱり息が大事だったんだ』と気づくことができるようなものなので、偉大なシンガーたちが声を大にして『息が大事だ!』と言っても受け入れられにくい面があるのかもしれませんね。

息の重要性は初心者ほど理解しがたいというのが最大の弱点なのかもしれません。

歌の初心者は『ハズレを引かない』ことが大事だろう

上記のようなポイントは

  • 最も大事であると同時に『ハズレではない練習』『ハズレを引かないためのもの』という要素が強いと考えられるもの

です。

 

歌に限らず、スポーツでもなんでもそうでしょうが、

  1. ほぼ全ての人にとってプラスになるトレーニング
  2. 個人差(体・喉・ジャンルなど)によってプラスにもマイナスにもなるトレーニング
  3. ほぼ全ての人にとってマイナスになるトレーニング

という3つの練習が存在します。

つまり、自分にとって

  1. ほぼ「アタリ」の練習
  2. 「アタリ」か「ハズレ」かわからない練習
  3. ほぼ「ハズレ」の練習

という3つの要素に分けられる。

ここで厄介なのが2番目でこれは必ず誰にでも存在し、その範囲は意外に広く、かつ人それぞれ違います。なので、世間的に語られる「正しい練習」には色々なものがある。

全ての人は成長において必ず『個人差がある要素』と向き合わなければいけないと言えます。

 

とすると初心者のうちは「アタリ」を引きに行くのではなく「ハズレ」を引かないように練習することが非常に大事になる

もっと正確には

  • 「ハズレ」とすらわからないままでい続けることが一番恐ろしいので、その危険性を排除することが大切だ

と考えられるということです。

つまり、先にほぼ確実なアタリだけをおさえる↓

どんなに能力が高い人であっても、真ん中部分は最初から『ハズレ』であるかどうかはわからないことも多いでしょう。

しかし、やってみた結果『ハズレ』であるのかどうかの判別は能力が高い人ほど早く正確になる

であれば、初心者のうちはハズレを引かないようにすることで、基礎的な能力を上げて『ハズレ』と『アタリ』を判別できるようになる能力を高めることが重要ではないかと考えられるわけです。

このように初心者のうちはほぼアタリになる要素をだけを攻めて、『「アタリ」か「ハズレ」になる部分=個人個人の特性によって変化する部分』を的確に判別できる能力を高めることが成長効率的に一番いいと考えられるということです。

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