今回は、歌のテクニック『スタッカート』について。
スタッカートとは、一音一音短く切って歌うテクニックのことです。歌の歯切れの良さ、リズミカルな印象を生み出すために効果的なテクニックです。
スタッカートとは
語源は『staccato(*イタリア語)』で、「一音づつ短く切る」という意味の音楽用語です。
例えば、「あーーいーー」というフレーズを、「あっ、いっ」に区切ることがスタッカートです。
歌の中のテクニックとしては、
- 『伸ばして歌うことができる部分を、あえて細かくリズミカルに切る』
という風に考えるといいでしょう。
参考例↓
また、間違いやすいのですが、スタッカートは『アクセント(強調)』ではないです。
もちろん、アクセントをつけることもあるのですが、言葉の意味はあくまで『音を短く切る』ことのみを指します。
歌におけるスタッカートの効果
スタッカートは歌の中で
- リズミカルな印象
- ノリがいい印象
- 歯切れの良さ
- 軽快さ
みたいなものを生み出す効果があると考えられます。
世界的に有名なスタッカートと言えば、このフレーズでしょう(*再生位置0:40〜)↓
音がトコトコトコっと、軽やかにステップを踏んでいるような印象ですね。
スタッカートのやり方・練習方法
説明するまでもないかもしれませんが、スタッカートのやり方は、
- まず「はーーー」と声を伸ばして発声します。
- 同じ音で、次は小刻みに笑うように「はっはっはっはっ」と細かく区切ってみましょう。これがスタッカートです。
やり方としてはこれ以上説明することがなく、「スタッカートをすること」自体は割と誰でもできると思います。
しかし、良いスタッカートにするのは、かなり奥深いものになります。
というのも、
- ピッチ(音程)
- リズム
の両方の精度が、そのまま影響してくるからです。
①ピッチに気をつける
スタッカートは、
- ピッチのアタック(出だし)からドンピシャで合わせていかないと綺麗に決まらない
です。
これは、そもそも音そのものが短いので、最初からバシッと音程を合わせないといけないということ。
②リズムに気をつける
スタッカートは、
- 狙ったリズムの位置にドンピシャで当てていかないと上手く決まらない
です。
リズミカルに聴かせるためのテクニックでもあるので、リズムはしっかりとしておきましょう。
リズムが合っていないと、単に音が途切れただけの印象を与えてしまうかもしれません。
スタッカートの精度を上げる練習方法
スタッカートの精度を上げるには、ピアノの音階に合わせてスタッカートで発声練習をすることがおすすめです。ピッチとリズムの両方を鍛えやすいです。
発音はどんな発音でもいいので、苦手な発音に取り組むといいでしょう。
スタッカート目的ではなくとも、以下のトレーニングは自然とスタッカートを鍛えることになるので一石二鳥です↓
- ドッグブレス:犬の呼吸のように「ハッハッハ」と発するトレーニング
- 「ク」トレーニング:「クックック」と発するトレーニング
- 「ブッ」「トゥッ」「タッ」トレーニング:「ブッブッブッ」「トゥットゥットゥッ」「タッタッタッ」と発するトレーニング
