Vaundy(バウンディ)さんと言えば、近年大注目・大人気のミュージシャンですね。
Spotifyの「Early Noise 2020」にも選出されています。
そのおしゃれな楽曲と素晴らしい歌声に魅了されている方も多いはず。
今回はそんなVaundyさんの歌声について。
どういう声質・声の出し方か
地声・話し声は普通くらいの音域、やや鳴り系の声質
地声・話し声の音域は普通くらいの音域ですね。
音域的に普通くらいの声帯を持っていると言えそうです。
声質はやや鳴り系の声質と言えると思います。
まぁどちらかと言えば、息の流れよりも鳴りが先行するような「鳴り系」。ただ、”やや”くらいの範囲で、ジリジリというよりは「カリッ」と「チリッ」と鳴るような声質。
歌声は美しくクールなオールラウンダー
チェストボイス低中音域は地声。
楽曲によって
- エッジの効いた鳴り系の発声
- 息が綺麗に流れるウィスパー系の発声
まで使いこなしています。
もともとが少し鳴りやすい声帯を持っていることから、エッジが聴きやすく、カリッとした心地よい成分を含みやすいですね。
ただ、息系の発声は鳴りの成分を消し、ウィスパーな表現まで綺麗に歌いこなしています。
ベースが息の流動性が美しい発声なので、音色そのものの質が非常に美しい音色を奏でます。
そこに声帯の鳴りを乗せるのか、そのまま息でいくのかの表現が多彩ということですね。
近年洋楽に多い発声スタイル。
ミドルレンジ
中高音域(≒ミックスボイス)。
息の圧力をしっかりとかけてガツンと強く鳴るミドル発声です。
鳴りの成分がガツンと前に出てくるような迫力がありますが、美しさも保っており、少しザラついた倍音もあるような発声です。
一定レンジ以降は綺麗にファルセットへ以降するスタイルです。
ファルセット
高音域はファルセット。
ファルセット(裏声)を自在に美しく使いこなすのもVaundyさんの特徴の一つですね。
非常に綺麗に息が流れるファルセットを自在に切り替え使いこなしています。
「キスをしあって 生きている」「手を取り合っている」↓
歌い方
共鳴や音色
ベースは上方向への響き・声の当て方です。鼻腔や軟口蓋方向への声のあたりが美しいです。
ただ、Vaundyさんは比較的低域も使いこなし下方向へ声を当てるような表現をすることもありますね。
がっつり下方向へ深めの共鳴腔を取るタイプではないのですが、下方向へも自然に当てています。
口をそこまで開くタイプではないので、全体的に明るい音色というよりはクールな音色の表現が多いです。
ビブラート
基本的にそこまでかけるタイプではなく、直線的なフレージングで歌うタイプです。
ただ、よく聴けばナチュラルにかかっているフレーズも多いです。
フレージング・歌い回し
歌い回しは一言で言えば洋楽スタイル、R&B系というところでしょうか。
- 言葉のアタック(出だし)に軽やかさやスピード感がある。
- 母音を重視しない直線的でリズミカルなフレージング
みたいなものが特徴でしょう。
音の出だしやピッチ移行のスピード感みたいなものが洋楽的なイメージ。リズミカルに綺麗に音を置いて行くようなフレージングですね。
ピッチ感も非常によく、美しい音色を奏でています。
Vaundyさんの歌声に近づくために
Vaundyさんのように歌うには
- 息の流動性のある美しい発声を身につける
- アタックの質と直線的なフレージングを鍛える
という部分が重要になってくるでしょう。
息の流動性
Vaundyさんは鳴り系から息系まで使いこなしますので、言ってしまえば幅広く鍛えなければならないとは思います。ただ、ベースの発声が息と非常に綺麗に連動した発声なのでまずはそこを身につけることが大事でしょう。
まずは
で息と声の連動を。
息のトレーニングはコツコツと。
もしくはVaundyさんの歌声をよーく聴いて真似するとだんだんできるようになるかもしれません。
息系の発声はもちろん鳴り系の発声まで美しさの鍵を握っているのは息の流動性です。
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美しい発声についての研究【地声編*ポップス向け】
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アタックと直線的なフレージング
”かなり細かいレベルで”、音の出だし(アタック)からドンピシャで音を当てていくのって実は非常に高度なスキルです。
このアタックが綺麗な人はそれだけで歌が美しく聴こえます。もちろんVaundyさんもそうですね。アタックが強いというわけではないのですが、非常に軽やかに美しいアタックです。
アタックを鍛えるのは
がオススメです。
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