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声の悩み・歌の悩み

ハスキーボイスについての考察|ハスキーボイスになる方法はある?

投稿日:2018年2月7日 更新日:

今回は『ハスキーボイスについて』です。

ハスキーボイスな人は「普通に声になりたい」と悩んだり、逆に普通の声の人(ハスキーボイスでない人)は「ハスキーボイスになりたい」と憧れたりしたことがあるのではないでしょうか。

 

しかし、先にこの記事の結論を言っておくと

  • 普通の声の人がハスキーボイスになるのは難しいし、ハスキーボイスの人が普通の声になるのもかなり難しいと考えられる。ただし、不可能とは言いきれない。

このように考えられます。

 

普通の声の人はハスキーボイスを理解することでハスキーっぽく聴かせることは可能ですし、ハスキーボイスの人はその魅力に気づくかもしれません。

『ハスキーボイス』とは

『ハスキーボイス』とは

ハスキーボイス (husky voice) とは、しゃがれた声、かすれた声の事。「嗄声」と似た言葉だが良い意味で用いられる。嗄声の一形態といえる。悪声の意味で使われることは少なく、「ダミ声」とは対照的である。

引用元:Wikipedia『ハスキーボイス』

シンプルに『しゃがれた声』や『かすれた声』、喉が枯れたようなスカスカした声だったりガサガサした声だったりした声のことですね。

 

声帯の振動の重なりが綺麗に重なっておらず、声がガラッとしたりガサっとするような声質のことです。

また本来は違う意味ですが、ほんのりとしたハスキー感のある声質を『スモーキーボイス』と呼んだりすることもあります。

 

ハスキーボイスの原因

声を出すときは声帯が閉じてそれを震わせることで音になります。

そして、普通の声の人は綺麗に声帯が閉じて鳴っています。

普通の声の声帯の状態

しかし、それが何らかの原因で閉じ具合が甘かったり、綺麗に閉じきれなかったりしている状態で息が不規則に漏れている状態になったりします。

これがハスキーボイスです。

ハスキーボイスの声帯の状態

上の図はわかりやすく誇張した例なので、こんなにわかりやすく穴が空いているわけではありませんし、実際にどうなっているかは人によって様々でしょう。

 

単純に声帯全体が閉鎖しにくい状態だったり、不規則な声帯閉鎖が生み出すハスキー、上の図のように声帯に隙間が空いている・声帯がダメージを受けているなどハスキーボイスの声帯の状態も人によって様々なのです。

 

これによって”人それぞれのハスキーボイス”になります。

 

ハスキーボイスの正体は「息が漏れる音」と「ノイズ」

状態や度合いは人それぞれ違いますが、ハスキーボイスに共通しているのは『息の漏れる音』とそれに伴う『ノイズ』です。

 

つまり、これがハスキーボイスの正体とも言えるでしょう。

ハスキーボイスの正体

声帯閉鎖の不完全さが生み出す、「息の音(息の倍音)」と「ノイズ成分」

 

声は息によって声帯を振動させるということは息が音に変換されているとも言えます。

この変換が不完全、もしくは足りないので息が漏れてしまっている。よって息の音が声の中に含まれている状態になっているのです。

 

なので、ハスキーボイスは声の中に含まれている息の倍音成分が多いのが特徴です。

 

また、この息漏れによって声帯の振動に特有のノイズが発声しているのですね。

ハスキーボイスは息の倍音とノイズが乗りやすい

例えば、ハスキーボイスの人って声が通るが多いですよね。

 

声帯の不完全な閉じ方によるノイズ(ガラッ・カサッなど)と息による倍音が多く含まれている声なので人の耳に聞き取りやすいのです。なのでハスキーボイスの人は声が通ります。

 

人気のお笑い芸人などにハスキーボイスの人が多いのは人の耳に声がよく届くからなのかもしれません。

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普段の会話だけでなく、歌にとっても息というのはものすごく重要です。

ハスキーボイスの方は声を出すだけで息の乗った声を出せるという点ではかなり有利です。しかも、声帯を鳴らしながら息の倍音を多く出せる(これがハスキーボイスの強み)。

 

ハスキーボイスのメリット・デメリット

ハスキーボイスのメリット

  • 声が良く通る(倍音が多い)
  • 高域の周波数を多く含むので、声の透明感や冷たさを感じやすい
  • マイクを使う歌唱に向いている

ハスキーボイスのメリットは、とにかく声がよく通ります。また、マイクにも非常によく通る性質を持っているので、ミュージシャンの中にもハスキーボイスの人は結構多いですよね。

 

また、「息漏れ」と「ノイズ」によって高域の周波数を多く含むため、声に透明感や冷たさを感じやすいです。

 

ハスキーボイスのデメリット

  • 喉がデリケート
  • 声のくっきりした芯や温かみを感じにくい
  • クラシック系のマイクのない前提の歌唱には向いていない

ハスキーボイスの人は一般的な声の人よりも喉の調子の上がり下がりが激しいかもしれません。

 

また、声質的にはメリットがデメリットにもなります。

ハスキーボイスは裏を返せば、”嫌でも”「息漏れ」と「ノイズ」が発生してしまう声質です。なので、芯がくっきりとした声や温かみを感じる声を出すのは苦手になるかもしれません。

 

普通の声の人はハスキーボイスになれるのか

普通の声の人がハスキーボイスになれるのかという疑問も湧くと思います。

特にハスキーに憧れる人も多いでしょう。

 

しかし、これは

  • 理論上は不可能ではないが、基本的は無理

と考えた方がいいでしょう。

 

この世に絶対などないのですが、よほどの努力をしないとハスキーボイスではない人がハスキーボイスになることは難しいと言えるでしょう。

 

よほどの努力とはどれくらいか?

例えば「毎日声を枯らす」とかですかね。

 

やはり、人間の体はもとに戻ろうとする力が働きます。

仮に喉を壊してハスキーボイスを作り上げたとしても、その状態から回復しよう(元に戻ろう)とするのです。風邪をひいてハスキーボイスになってしまう人も、風邪が治ればまた元どおりの声になりますね。

 

例えば、高校球児たちは毎日かなりの大声を出しているのでハスキーボイスの人も非常に多いですね。ところがプロ野球選手はどうでしょうか。ハスキーボイスの人が特別多い印象はないですよね。

 

無理な発声でハスキーボイスが作られても回復してしまうのです。人間の持っている回復力(DNAの修復力)に逆らうのはなかなか難しいのですね。

炎症が起これば声は枯れるが

時が経てば元に戻る

もちろん、完全に不可能とは言い切れません。

 

もしどうしてもなりたいとすれば、毎日のように叫び続けたりして声を枯らして(声帯を傷つけて)それを定着させるしかないでしょう。

よほど継続して続けないとできないと思います。もちろん保証はできませんし、結局は人によると思います。ハスキーボイスになる前にポリープなどになってしまいそうですが。

 

どちらにしても人間の回復力を超えることをしなければ、普通の声の人がハスキーボイスになるのは難しいということです。

 

一般的に言われるハスキーボイスになれる方法

ひたすらに声を出して枯らす

理屈的には声を出して枯らし続ければ、なれるはずです。ただし、よほど続けないと治ってしまうでしょう。

 

風邪をひく

風邪をひいたらハスキーボイスになる人も結構いますね。

これは声帯粘膜が炎症するからですね。風邪が治れば、喉も回復するでしょう。もちろんその期間に無理やり声を出すなんてもってのほかです。

 

酒灼け

いわゆる「アルコールで喉を灼く」という方法です。桑田佳祐さんがウォッカでうがいをしたなどで有名です(そのせいであの声になったのかは不明)。

俗に言う『スナックのママの声』のような酒灼けした声のイメージです。

 

アルコールの力で喉の粘膜を炎症させて、その状態で大きな声を出して話し続けることを習慣にしていればなれないこともないのでしょう。

ただ、喉の炎症を慢性化させるような感じなので健康に悪いでしょう。オススメはできません。

 

ハスキーボイスっぽく聴かせることはできる

ハスキーな声にはなれなくてもそのように聴かせることはできると考えています。

とは言えあくまでハスキーボイスの音色にはなれません。

「っぽく」の範囲内です。

 

そう聴かせるために重要なのは「息」ですね。

息がしっかりと吐けている声・息が非常に多い声はハスキーっぽく聞こえます。

 

もちろん、あくまでぽいだけで、全然ハスキーボイスではないです。

なぜなら

声帯の閉鎖を薄めることで息の倍音を多くしているから。ハスキーボイスは声帯は閉鎖するのに息の倍音が多くなるのです。

 

ハスキーボイスの人は声帯をしっかり閉じても息の倍音を乗せることができます(というか嫌でも乗る)。

それに対して普通の声の人は声帯をしっかり閉じると、しっかりと鳴ってしまうので息を多く含ませるには声帯をそこまで閉じずに息を吐かなければいけません。

普通の声とハスキーボイスは息漏れの性質が違う

つまり、ハスキーボイスの人とそうでない人が同じくらいの息の倍音を乗せようとすると息の出口の大きさ(閉鎖の具合)の違いから、ハスキーボイスの人の方が圧倒的に楽です(声帯が息の圧力を支えつつ息の倍音を含ませることができるから)。

 

つまり、普通の声の人はかなりの息のトレーニングが必要になるということです。

ハスキーボイスっぽく聴かせるには「息」をしっかりと吐く練習をしていきましょう。

 

ハスキーボイスの人は普通の声になれるのか

これまでの文章を読んでハスキーボイスの理屈を理解すればだいたい想像つくと思いますが、これも難しいでしょう。

ハスキーボイスは声帯の性質とも言えるので、訓練で鍛えられる範囲を超えていると言えるでしょう。

 

もちろんこれも絶対ではなく、場合によっては可能なときもあるかもしれませんが、基本的には難しいと考えておくべきでしょう。

ハスキーボイスの治し方

一時的なハスキーボイスの人

  • 風邪
  • 喉の使いすぎ

などで突発的にハスキーボイスになってしまったのなら、「声を出さないこと」ですね。

回復を待ちましょう。

 

常時ハスキーボイスの人

理屈上は原因をなくすことでハスキーボイスではなくなるはずですが、これが「治せるものなのかどうか」ですね。

 

例えば、ポリープや声帯結節などが原因で起こっているものであれば治せる可能性もあります。その場合はお医者様に見てもらいましょう。

 

しかし、「生まれつきの声帯の特性」である場合はボイストレーニングではどうにもならない可能性の方が高いでしょう。

年齢とハスキーボイスの関係

最後に「ハスキーボイス」と「年齢」の関係性についてまとめておきます。

簡単に言えば、

  • 男性は歳を取れば取るほどハスキーボイスになっていき、女性は年を取れば取るほどハスキーボイスではなくなっていく

という傾向があります。

これは男性ホルモンの影響によるものです。

 

まず男性ホルモンは声帯を長くする(大きくする)作用があります。そしてこれによって声が低くなります。

 

そうすると、女性は50歳あたりから男性ホルモンの比率が高まるためわかりやすく声が低くなります。男性は70歳あたりから男性ホルモンの低下によって声帯のハリが保てなくなりわかりやすく声がかすれてきます(*厳密には女性は30歳、男性は50歳あたりからほんのりとこの変化の予兆が現れています)。

 

なので、男性は年を取ると声帯のハリが保てなくなってしっかりと閉じることができなくなることでハスキーボイスに近づいていき、女性は声帯が伸びることで声帯にハリが出てしっかりと閉じやすくなるのでハスキーボイスから遠ざかります。

 

ということはハスキーボイスではない男性は年を取るとハスキーボイスになる可能性がありますし、ハスキーボイスの女性は年を取るとハスキーボイスで無くなる可能性があります。

 

これは一般的な「おじいさんの声」と「おばあさんの声」をイメージするとわかりやすいと思います。

  • おじいさんの声は『カサカサ』
  • おばあさんの声は『ジリジリ』

という印象になることが多いはず(*もちろん個人差はある)。

 

このように、ハスキーボイスと年齢には一定の関係性があるのですね。

まぁこれがわかったからと言って、自分で何かをコントロールできるわけではないですが、自然な現象として受け入れなければいけないこともあるということでしょう。

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