今回はリンキン・パーク(Linkin Park)のボーカル チェスター・ベニントンさんの歌声・歌い方・歌唱力についての研究分析です。
声質・発声方法について
話し声・持っている声帯の特徴
地声・話し声の音域はやや高めくらいの音域。
若干高いくらいですが、声帯の音域のタイプはテノール(男・高音)寄りだと考えられます。
話し声の声質は軽やかで「鳴りやすい」タイプの声質。
声帯が軽やかに鳴るタイプで、軽やかさもあるジリジリ・ビリビリしたような鳴りの成分が強い声質を持っていると言えるでしょう。
英語圏の人はエッジボイスっぽく声帯を使って話すので、カリッとジリッと鳴りやすいです。
歌声の特徴
歌声は主に2種類の歌声を使っています。
地声とミックスボイスの2種類をメインに使っています。
低中音域は地声を使っています。主に聴こえ方としては張り上げない発声の部分ですね。楽曲にもよるのですが、基本的には柔らかい閉鎖感と鳴りのある発声を使うことが多いですね。深めの響きを作らずに浅めの明るい響きで歌うことが多いです。
軽やかで芯のある声質と言えそうです。
中高音域はミックスボイスを使っています。このミックスボイスが特徴的ですね。年代によって声質が変わっている部分でもある(昔の方がシャウト色が強い)のですが、割れ気味の強い発声を使うことが特徴的ですね。楽曲によってはシャウト気味な発声で力強くパワフルな歌声を聴かせてくれます。
強い声帯閉鎖を息の圧力で押しのけやや割れるようなハスキーなようなニュアンスを作り出すミックスボイスが特徴的です。
シャウトとミックスボイスの融合のような、シャウト系の強い発声のまま、綺麗に声をメロディーに乗せています。
当然ながら純粋なシャウトも多々あり、自由に使いこなしています。
どういう歌い方か
特徴的なのはやはりダイナミクスの作り方ですね。
地声での発声と、強い鳴りのシャウトミックスボイスが別人のような声の差を演出します。このダイナミクス(声量差)が迫力あるチェスター・ベニントンさんの歌い方の特徴とも言えますね。
ビブラートはあまりかけるタイプではないです。まっすぐにロックに歌うタイプです。
シャウト系の発声を音楽的に綺麗に使いこなす歌唱力を持っています。
実際の歌声で確認
「Numb」で地声・ミックスボイスを確認
声の種類
地声:黒字
ミックスボイス:黄色マーカー
シャウト系ミックスボイス:赤色マーカー
フレーズ
another mistake to you I've become so numb, I can't feel you there Become so tired, so much more aware By becoming this all I want to do Is be more like me and be less like you Can't you see that you're smothering me? Holding too
若干普通のミックスボイス系の発声がありますが、基本的には強いサビなどはこのようにシャウト系のミックスボイスで歌っています。
これだけシャウト系の声を操れる人はそうそういないでしょうね。
でもって、綺麗な声に戻ってくるあたりがまたすごいですね。
どういう練習をすればチェスター・ベニントンさんのように歌えるか
チェスター・ベニントンさんのように歌うには多くの音楽的要素が必要です。そのぶん、多くの練習や訓練が必要となります。
しかし、要点やポイントを絞ることで近づく近道になります。
チェスター・ベニントンさんのように歌うポイント
ポイント
シャウト系ミックスボイスを身につける
これが重要ですね。
では練習方法を紹介します。
シャウト系ミックスボイスを身につける
チェスター・ベニントンさんのようなシャウト系のミックスボイスはそうそう出したくても出せるものではありませんね。
出し方としてはエッジボイスの延長線上にありますね。強い声帯閉鎖で声帯の鳴りを作り、そこに思いっきり息を吐き出せば、それなりに割れた声にはなるでしょう。
が、コントロールするのは至難の技ですね。それこそシャウトの練習をするのが一番手っ取り早いのですが、喉への負担も考慮しなければいけないぶん練習が大変ですね。ただ、シャウト系の発声も喉の開発なので、継続して練習することで身についてくるはずです。
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