この記事は
『自分に合った歌い方を見つけるにはどういう項目を考えていけばいいのか』、というものに焦点を当てた内容です。
目次
①自分の「音域」「声質」のタイプを理解する
自分に合った歌い方を見つけるために、まずは自分の声帯の「音域」と「声質」のタイプを理解することが重要だと考えられます。
もちろん、この「声帯のタイプ」によって歌い方の全てが決まってしまうというわけではないですが、かなり大きく影響してくる部分であることは、間違いないでしょう。
というのも、この「声帯の”音域”のタイプ」「声帯の”声質”のタイプ」という二つは、スポーツで言えば「身長・骨格」みたいなもので、訓練すれば自由にどうにでもなるというものではないからですね。
あくまでも大きな目安ですが、音域のタイプは6つ
声質のタイプは4つのタイプ
このように区分して考えると上手く整理できます。
つまり、多くの人は
- 「音域6タイプ」×「声質4タイプ」=計24通り
の内のどこかに当てはまることになるでしょう。
もちろん、様々な部分の『中間』『普通』というものもありますし、『どこにも当てはまらない特殊なタイプ』という声を持っている人もいるので、突き詰めると人それぞれではあります。
なので、自分を完全に型にはめ込もうとするのもよくないのですが、ざっくりと『自分の声帯はどんな声帯なのか』を理解しておきましょう。
例えば、このように考える↓
「音域・バス」「声質・息っぽい声質」↓
「音域・ソプラノ」「声質・鳴りやすい声質」↓
24パターン紹介すると大変なことになるので、この辺で。
それぞれの詳しい見極めはこちら
②地声と裏声の”一番自然な換声点”を見つける
次に、自分の声の『自然な換声点』の位置を見つけましょう(*『換声点(かんせいてん)』とは、地声と裏声が切り替わる音階のことです。)
この『自然な換声点』が自分の歌の音域の真ん中辺りになります。
まず、「換声点」は一点ではありません。現状はそうでない人も、地声と裏声は鍛えると両方が大きく重なりますので、意味上はこの換声点はたくさん作れるということになります。
この中で『”最も自然に”楽に地声から裏声に切り替わる点』を探します。
地声から特に力を入れずに音程を上げていくと、自然と裏声に切り替わる音です。おそらく、自分の中でそんなに高くない裏声になるでしょう。
これが『自然な換声点』(*厳密にはっきりと一音でなくてもいい。例えば、「ミ」と「ファ」あたりかな?のような感じで大丈夫でしょう。)
また、人によって位置は様々です。
基本的に声が低い人ほどその位置は低く、声が高い人ほど位置は高い傾向になる(*あくまで傾向)↓
これが、基本的に歌に使える音域の大体真ん中くらいに位置することになるでしょう。
換声点が作れない場合
「そもそも地声と裏声が全然重なってないんだけど」「換声点が飛んじゃう」など、換声点になんらかの問題を抱えている場合もあると思います。
こういう状態は「変声期中」などによく起こるでしょう。その場合は終わるまで待つ。
変声期が終わっている場合は、「鍛え不足」が大半でしょう(*何らかの別の問題がある可能性もある)。
人によって違いますが、鍛えれば少なくとも0.5オクターブくらいは重なるはず。広い人は1オクターブ以上普通に重なっています。
裏声が出ない場合
「そもそも裏返らない」「裏声が出ない」という場合はまた別問題なので、その場合は『裏声が出ない原因』の記事を参考にしてみてください。
予測をつける
仮に、現状”自然な換声点”の位置を探せない状態でも、自分の『自然な最低音』を目安にすると、ある程度予測をつけることができます。
自然な最低音とは、「無理やり出せる限界の最低音」ではなく、「楽に綺麗に音にできる最低音(歌にも使えそうな最低音)」です。
この”自然な最低音”も、基本的に音域のタイプに沿っています。
そうすると、この最低音から大体1〜1.5オクターブ目くらいに”自然な換声点”があることが多いはず。
個人差があるので、あくまで目安ではありますがこのように予測できます。
③自分の音域を4つに区切る=”歌のキー”を決める
次に、先ほどの自然な換声点を区切りにして、さらに全体を4つに区切ります。
- 地声でしか出せない『低音域』
- 裏声で出せないことはないが地声の方が出しやすい『低中音域』
- 地声で出せないことはないが裏声の方が出しやすい『中高音域』
- 裏声でしか出せない『高音域』
という感じになります(*「無理やり頑張れば出せる範囲」でなく、ある程度「自然にそうなる範囲」を意識する)。
そうすると、ほとんどの人は「②低中音域」「③中高音域」が歌の中心になるでしょう。
プロのシンガー達もほとんどの場合、②③を中心にして歌っています。
もちろん、①④を全く使わないということではないですし、ジャンル・個性によって変わってくる場合もあるのですが、大体誰しもこの部分が一番良い音が出やすいので、そこが中心になっていくと考えられます。
つまり、これによってその人の”歌のキー”が大体決まるということにもなります(*”キー”とは本来の意味では『調』のことですが、”歌のキー”と言う場合『最適な音域』という意味合いが強いので、ここではそういう意味として使います)。
これが「自分に合うキーで歌った方がいい」という理由ですね。
大体この範囲が1〜1.5オクターブくらいになるので、多くの歌も1〜1.5オクターブくらいの音域の幅で作られています。
これで大枠の自分の歌の音域を確定できます。
これを考えた時、
声が高い人や普通の人はそこまで何も思うことはないでしょうが、声が低い人は色々と考えることがあると思います。
これに関しては一言では処理できませんので、こちらにて。
ちなみに
先ほどのように、「現状使える音域が狭くて②と③がわからない」という場合があると思います。
この場合も、先ほどの『自然な最低音』を活用しましょう。
多くの人の”歌に使える音域”は、自然な最低音を目安に男性は2.5〜3オクターブ、女性は2〜2.5オクターブくらいの音域になります(*あくまで一般的な目安で、個人差がある)。
なので例えば、3オクターブの音域を持つ人で考えるとこういう風に考えることができる(*単位はオクターブ)↓
2.5オクターブの人の場合は、
0.8オクターブなど変な数字が出てきますが、1オクターブは半音12個なので『×12』をすれば、最低音から何半音目かを計算できます。
あくまで目安なので人ぞれぞれズレがあるのですが、大体こんな感じで自分の音域の区切りをある程度予測できます(*鍛えられる範囲の予測にもなる)。
おそらく、ここまでで自分の歌の音域をある程度確定できるでしょう。
④「地声型」か「裏声型」かを考える
次に、「③中高音」部分を『地声メインで歌うか』『裏声メインで歌うか』という方向性を考えるといいかと。
これは、歌全体の印象に大きく影響する部分です。
地声型
例えば、③の部分を行けるところまで地声で歌うと、『地声型』で「力強い・熱い」歌い方という印象が強くなります。
高音を地声で発声しようとすると必然的にパワーが必要になるので、力強い発声になることが多い↓
ハードロック・ロック・ファンク・ゴズペル・ソウル(旧R&B)などのジャンルで多いスタイルです。
世界的な傾向として、1980年〜2000年代くらいまではこのスタイルが強く流行していたように思います(*あくまで傾向のお話。また音楽は自由なので、「主流だから良い」「主流じゃないから悪い」などは一切ありません)。
-
『ロックらしい歌い方』についての考察
続きを見る
裏声型
逆に早めに裏声に切り替えると、『裏声型』で「透明感・涼しい」歌い方という印象になる。
早めに裏声に切り替えることで、綺麗な抜け感を作ります↓
R&B(現代)・カントリー・フォーク・ジャズなどのジャンルで多いスタイルです。
2010年代〜現代まで、こういうスタイルがどんどん主流になってきているように思います(*あくまでも傾向)。
-
『R&Bらしい歌い方』について
続きを見る
このように『地声型』か『裏声型』である程度方向性を決めましょう。
もちろん、楽曲やフレーズによって変化させてもいいので、完全に固定する必要はありませんし、両方を完璧に使いこなすようなシンガーもいます。
しかし、どんな人にも『偏り』『傾向』というものはあります。人間は必ず得意な方へ寄っていきますから。
両方のスタイルを極めていいのですが、まずは自分が得意な方から極めるのがいいかと。
⑤『息型』か『鳴り型』かを考える
次に『自分の声質の幅』、簡単に言えば
- 息っぽい発声
- しっかりと声帯を鳴らす発声
という二つをしっかりと認識しましょう。
どんな声質(声帯)を持っている人でも、基本的に「息っぽい声」〜「しっかり鳴らす声」までの声質の変化の幅を持っています。
これは、声帯の開き具合・閉じ具合の幅です。
これは、そのまま歌声の表現の幅になります。
当然全ての表現を使っていいのですが、使い方にも人それぞれ個性がありますから、それが歌い方に影響します。
一番シンプルにわかりやすく分けると、
- 息型
- 鳴り型
という二つの方向性に分けることができます。
息型
具体的なイメージ↓
基本的にさらりと「息」で歌うようなスタイル。
全般的に「息っぽい発声」をするスタイルは、『透明感』『静けさ』『冷たさ』のようなものを生み出しやすいスタイルと言えるでしょう。
鳴り型
具体的なイメージ↓
基本的に「鳴り」の発声で全体を歌うスタイルです。
このように全般的に「鳴り」に特化した発声は、『力強さ』『賑やかさ』『暖かさ』のようなものを生み出しやすいスタイルと言えるでしょう。
両者はあくまでもわかりやすい対比なので、実際は『どちらとも言えない』『普通・両方ともある程度均等に使いこなす』というタイプも多くいます。
そういう面も含めて、自分にはどういうタイプが合うのか見極める必要があるでしょう。
人によって得意・不得意がある
ここで大事なのは、全ての人にとって「息っぽい発声」「しっかりと鳴らす発声」は同じ音色にはならないということだけ頭に入れておくべきでしょう。
もともと持っている声帯のタイプは人それぞれなので、人それぞれの声質のタイプに対して「息」〜鳴り」までの声質が存在することになります。
例えば、
すごく息っぽい声質を持っている人は、何も意識せずとも「息っぽい声」になり、逆に「鳴らす声」はそんなにくっきりとは鳴らなかったりするでしょう。すごく鳴りやすい声質の人は何も意識せずとも「しっかりと鳴る声」になり、逆に「息っぽい声」はできはするが、必要以上に労力を使うことになったりするでしょう。
ハスキーボイスの人はこの特性にプラスして、声質をどう変化させようが特有のノイズ成分が入ったりするなどの特性があります。
このように、持っている声質のタイプが『発声の得意・不得意』に影響します(*必ずではない)。
なので、自分は何が得意なのかを見極め、そこから発声スタイルを考える必要があるでしょう。
⑥自分の共鳴の特徴をつかむ
次に自分の共鳴の特徴を掴みましょう。
共鳴の方向性は大きく分けると、
- 上方向(鼻腔・口腔)⇨細い・明るい
- 下方向(咽頭腔)⇨太い・暗い
という二つに分かれます。
共鳴の基本的な特性として
- 低音域ほど下に響かせやすく、高音域ほど上に響かせやすい
というものがあります。
ある意味これは、”自然にそうなりやすいもの”とも言えるので、これによって大体の声の方向性が決まります。
これがよく言う「胸に響かせる意識」や「頭の上から声が出る意識」というものに繋がっています。
実際にその方向へ声が出ているわけではないのですが、音程の変化によって喉の形が変化していくため『共鳴の変化』が生まれ、それが『声の方向性の意識・感覚』になるのですね。
また、意識によって「声の方向性(共鳴)」はある程度操作することもできるのですが、例えば自分の限界の低い声を出そうとすれば、ほぼ全ての人は真下に声を出すことになるでしょう。その限界の低い声を頭に響かせようとしても無理だと思います。逆に、超高音だと真下に響かせることはできない。
つまり、操作できるのは”ある程度”であって、音程と共鳴の方向性には強い相関関係があると言えます。
なのでまずは、自分の4つのセクションに声の方向性をざっくり当てはめる。
例えば、こんなイメージ(*個人差がある)↓
あくまでも一例ですが、このように自分の音程のどの部分がどの方向性に声を飛ばすと一番いいのかをすり合わせます。
「常にこれを頭に入れておく」のではなく、『最初にしっかりとすり合わせて、それを体に覚えさせる』というのが大事でしょう。
共鳴には個性もある
”基本的”には上記の考え方で当てはめていくのですが、
- 共鳴には個性もあるので、それも考慮すべき
でしょう。
基本的にはどんな人も低音域ほど下方向に響きやすいですし、高音域ほど上方向へ響きやすいのは大前提ですが、
- 共鳴が下方向へ寄っている人(喉が深い人)
- 共鳴が上方向へ寄っている人(喉が浅い人)
という2種類に分けることができます(*もちろん「普通」の人もいますし、「特殊」という人もいます)。
この喉のタイプを考慮したときに、例えば
- 「自分は下方向タイプだから、ある程度の中高音まで下方向寄りに鳴らした方がいい音色が鳴る」
- 「自分は上方向タイプだから、低中音域から上方向寄りに鳴らした方がいい音色が鳴る」
のように自分の喉に合わせた音色作りをすることになります。
このように『自分の共鳴(喉・骨格)は、どの音程でどこに声を通すと一番いい音色が鳴るか』をしっかりと組み立てることで、歌い方のベースが固まっていきます(*もちろんこれも全ての曲・フレーズでそうしなければいけないわけではないので、臨機応変に)。
共鳴はかなり個性が出る部分なので、あまり無理にフォーマットにはめようとせず、自分にとっての一番いい状態を探すことが大切でしょう。
-
発声における3種類の共鳴について
続きを見る
⑦自分の母音の特性を攻略する
次に、『自分の母音の特性を考慮して歌い方を決めていく』ということが重要。
というのも、人それぞれ『得意な母音・苦手な母音』『得意な子音・苦手な子音』が違います。
これは、骨格・喉・顎・舌・歯などの形が人それぞれ違うからですね。
そして歌い方の個性に大きく影響するのが『母音』。
特に先ほどの4つのセクションのうちの「③中高音」の部分は、母音の得意・不得意に大きく影響を受ける部分です。
例えば、この辺りを地声で発声する時(要するに地声の中高音)、「ア」が一番いい音が鳴る人・「エ」が一番いい音が鳴る人などのように、一番いい音色の鳴る母音が人それぞれ違います。
これによって「作曲(フレーズの歌い方)」や「母音の傾向」なども変わるのですね。
多くのシンガー達は、一番得意な母音を高い音に当てたり、母音全体を「エ」に寄せる、「オ」に寄せるなどして、自分の得意な母音に音を寄せることでいい音を鳴らそうとしています。
なので、自分の得意な母音・苦手な母音を把握しておくことが大事になってきます。
ココがポイント
多くの人が”地声”の場合「ア」「エ」「オ」のどれかが一番いい音が鳴り、「イ」「ウ」が苦手になる傾向があります。珍しいパターンとして「イ」が一番いい音が鳴る人もいます。「ウ」は地声であれば、他の母音に勝つことはほぼないでしょう。
そして、人間は面白いことに、地声の得意・不得意が”裏声”とひっくり返ります。
つまり、多くの人が地声であれば「イ」「ウ」が苦手になるのですが、裏声だと「イ」「ウ」の方が得意になります。
もちろん、全ての人に当てはまるわけではないのですが、比較的多い傾向というお話です。
なので、この母音の特性を上手く利用して多くのシンガー達は「イ」「ウ」の母音で裏声に抜くというスタイルを取ります。
例えば、「イ」抜きの達人と言えばこの方↓
アデルの最大の特徴と言えば、「イ」を高確率で裏声に抜くことですね(*「ウ」も多い)。
このように決まった母音だけ裏声で抜くという歌唱スタイルは、母音の特性を最大限に利用しているものだと言えるでしょう。
地声が「ア・エ・オ」裏声が「イ・ウ」でいい音色が鳴るのなら、それに合わせることで全母音でいい音が鳴るという理論です。
実は、この「イ」「ウ」抜きというのは一種のスタンダード、歌における一つの正解とも言えるくらい多くのシンガー達はこの特性を利用しています(*再生位置2:53〜「ア」は強く張るのに対し、2:56〜「ウ」、2:58〜「イ」は裏声に抜いています)↓
「イ」「ウ」抜きは、日本も含む世界中の多くのシンガー達が使っているので、他にも探してみると面白いですよ。
とにかく、母音の特性で歌い方が決まってくるのですね。
この特性は「多くの人がそうなりやすい」という傾向こそあるものの、かなり個人差が出るポイントでもありますので、個人個人が自分に最適な母音の特性を探る必要があります。
-
歌における母音の特性についての研究【人それぞれ得意な母音は違う】
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⑧歌のフレージングの個性を決める
最後に”歌のフレージング”について考えておく必要があります。
”歌のフレージング”とは「フレーズをどう歌うか」というもので、”歌い方”に大きく影響する部分です。
このタイプを簡単に大きく分けると、
- 『ハキハキ』
- 『伸びやか・壮大』
- 『リズミカル』
- 『スムーズ』
- 『弾む・躍動感』
- 『ねっとり』
- 『ふんわり』
- 『なめらか』
という8つのタイプに分けることができるでしょう(*もちろん、曲やフレーズによって変わるものでもあるので、あくまでも”基本の型”という前提です)。
このフレージングのタイプを考えるときは、「音の出だし」と「音の語尾」をどう表現をするかを考えれば解決します。
出だし
まず「出だし」の部分は大きく分けると、
- 強い・・・音の頭を強くアクセントするような歌い方
- 弱い・・・音の頭をそっと静かに入るような歌い方
に分けられます(*もちろんこれらは対比なので、全てのものには「普通・どちらとも言えない状態」があります)↓
そしてもう一つ、出だしには『音の立ち上がりの早さ』という見方があります。
- 早い・・・音量が最大になるのが早い
- 遅い・・・音量が最大になるまでが遅い
と分けることもできます↓
もちろんこれは、かなり短い時間内の出来事です。
この「強い・弱い」「早い・遅い」という項目を考えると、音の出だしは
- 強い+早い=『鋭い』
- 弱い+早い=『軽やか』
- 強い+遅い=『膨らみ』
- 弱い+遅い=『ゆるい』
という4つの印象に分けることができます。
語尾
次に、語尾は大きく分けると、
- 切る・・・音の語尾を短く切る
- 伸ばす・・・音の語尾を長く伸ばす
に分けられます↓
こちらは簡単ですね。
あとは、先ほどの「出だし」と「語尾」の組み合わせによって、8つのタイプが決まります。
「出だし」・「語尾」の組み合わせが、
- 鋭い+切る=『ハキハキ』
- 鋭い+伸ばす=『伸びやか・壮大』
- 軽やか+切る=『リズミカル』
- 軽やか+伸ばす=『スムーズ』
- 膨らみ+切る=『弾む・躍動感』
- 膨らみ+伸ばす=『ねっとり』
- ゆるい+切る=『ふんわり』
- ゆるい+伸ばす=『なめらか』
というような歌い方になるでしょう。
「出だし」と「語尾」の繰り返しによって、歌全体の印象が決まる(例:ふんわり)↓
例えば、伸びやかタイプ(鋭い・伸ばす)↓
ふんわりタイプ(ゆるい・切る)↓
もちろんこれも、楽曲やフレーズによって変動するものですから、完全に固定する必要はありません。ただ、得意不得意に合わせてある程度定めることで、歌の個性が作られるはずです。
-
歌い方の個性を決める『フレージング・歌い回し』について
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まとめ
これまでの流れをまとめると、
- 自分の声帯の「音域のタイプ」「声質のタイプ」を理解する
- 自分の音域を4つのセクションに分けて、自分の『歌のキー』を決める
- 『地声型』か『裏声型』かを考える
- 『息型』か『鳴り型』かを考える
- 共鳴の特徴を掴む
- 母音の得意・不得意を考える
- フレージングの個性を作る
という感じです。
大枠これらを考えれば、自分に合った歌い方が見つけられるとは思います。
ただ、あまり型や形に捉われすぎるのもよくないことなので、『音楽は自由だ』ということもまた忘れてはならないようなことのように思います。
-
時代毎の主流な歌い方・発声傾向の変遷について
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